
もちろん、環境を守る活動は企業の努力だけに頼っていればいいというものではない。環境問題とは、道路や橋や鉄道や空港、上下水道やエネルギーなどの社会的インフラ、食料と医薬品、衣服、住まい、それに空気や水など、まさにわたしたちの生活のすべてに関わる問題である。環境を積極的に守る活動の基本的な担い手は、わたしたち個人であることを忘れてはならないだろう。しかも、わたしたちやわたしたちの子どもたちが生きていく上で「都合がいい」地球環境を守るという、ある種の「欲望」が環境運動には必要ではないかと思う。また、環境を積極的に守るという活動は、必然的に地球規模のものになり、さらに地域的なものにならざるを得ないだろう。森林や河川や海、それに発電所やゴミ・廃棄物処理場や農地や牧場などはわたしたちが暮らす「地域」に存在し、それらは空気や水の流れとして、あるいは物流や交通や貿易を介して「地球」に結びついている。
この本を作っていく過程では、実に多くの分野で、「地域」について考えることになった。雇用そのものがまさに地域の問題だし、伝統工芸品など、具体的に地域と結びついたものもあった。農業や漁業や食品ビジネスの新しい流れは地域の自立と自覚が不可欠だし、金融、教育、医療、介護、福祉などこれまで国家・中央政府の関与がなければ成立しなかった分野においても、地域の自覚と自立が求められている。
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