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P.S.明日のための予習 13歳が20歳になるころには?

親と子の『今を知る特別授業』授業テーマ:環境

前編:親向け授業 「環境に関わる仕事」を理解するために環境問題と企業との関わりを知りましょう

後編:子向け授業 環境を無視して働けない将来のために今から学んでおくべきこと

講義 東京電力株式会社

東京電力株式会社 環境部長 影山嘉宏氏

地球温暖化、異常気象、海面の上昇など、地球環境の悪化に関するニュースが連日メディアに取り上げられています。今や環境問題は他人事ではなく、地球に暮す人間一人ひとりが関心を持ってきちんと取り組んでいかなければいけない大切なテーマとなりました。キミたちが大人になって働き始めるころには、今よりももっと環境問題は深刻化していることは明らかです。つまり、どんな業界でも、どんな職種でも、すべての人が今よりももっと環境に配慮しながら仕事をしていかなければならない時代がやってくるわけです。そういう意味で、今から環境問題に関心を持つことはもちろん、きちんとメカニズムを把握し理解しておくことが大切なことと言えるでしょう。
 そこで今回、2007年2月18日に、小中学校の先生方約60名を対象として品川火力発電所で開催された「エネルギー環境教育研修会」の内容から抜粋して、地球温暖化やエネルギー問題についてわかりやすく解説をします。

「エネルギー環境教育研修」とは
全国小中学校環境教育研究会と東京電力の共催による先生方を対象とした研修会。 
東京電力では1993年より、お客さまを対象とした、発電所構内の豊かな緑地での自然体験プログラム「TEPCOペアウオッチング」を実施してきた。その後、ここで蓄えられたノウハウを学校教育の現場でご活用いただくことを目的として、1999年より全国小中学校環境教育研究会との共催で、自然観察手法についての「環境教育研修会」を実施。さらに2006年より、先生方のご要望を受け、電気の仕組みに関する工作や実験も含めた、エネルギーと環境問題に関する「エネルギー環境教育研修会」を開催するに至る。今年で2回目。
研修会に関する詳細はコチラ

(1) 地球温暖化ってなんだろう? 〜しくみと原因について〜

「地球温暖化」とは、簡単に言うと「地球全体の平均気温が長期的に上がっていくこと」です。地球は太陽からエネルギーを受けながら、その周りをぐるぐる回っていますね。その太陽から受けるエネルギー(日射)によって地面が温められ、その地面から出される熱を、大気中の適度な温室効果ガスが吸収することで、地球は快適な環境を維持してきました。

ところが近年、この温室効果ガスが増加して、少しずつ地球が温暖化しはじめています。この温室効果ガスは自然に増えたものではなく、人間の営みによって次第に増えてきてしまったもの。ガスのなかで一番大きな影響を与えているのは二酸化炭素(CO2)で、その他にメタン、一酸化炭素、フロンなどがあります。私たち人間は自分たちの「生活」のために、地球環境のバランスを崩しはじめてしまっているのです。
※温室効果ガス・・・CO2やメタン、フロンなど大気中にあって、太陽のエネルギーで暖められた地面からの熱を吸収する気体のこと。



人間も含め、生き物の呼吸によってCO2が発生していますが、CO2は、ものが燃焼するときに多く発生します。例えば自動車。自動車はガソリンを燃やして走っているので、CO2を多く発生させています。また、日々の生活に必要不可欠なエネルギーである「電気」を作るために、石炭や石油、ガスなどの化石燃料を燃やさなければならないので、このときにもCO2が発生します。つまり私たちがエネルギーを使えば使うほど、地球温暖化の原因であるCO2を発生させてしまっているのです。地球には、CO2を吸収してくれる植物や海などがあり、CO2の発生、吸収のバランスがとれていました。しかし、文明が発達するにつれて、鉄道や自動車、家電など便利なものを作ったり動かしたりするためにたくさんのエネルギーが使われ、CO2が増加し、そのバランスがくずれてきてしまったことが、地球温暖化問題の大きな原因といえるでしょう。

(2) 今、地球に何がおきているの?〜地球への影響について〜

2007年2月、地球の平均気温は、今から100年ほど前と比べると約0.74℃も高くなっているという報告が出されました。0.74℃といわれてもあまりピンとこないかもしれませんが、これはとても危機的な数字なのです。このまま平均気温が上がり続ければ、いろいろな不都合が起きてきます。例えば海。気温が上昇すると、氷河などの氷が溶けだして海面が上昇することはどこかで聞いたことがあると思いますが、海水温度も上昇し、膨張してしまうのでさらに海面が上昇、陸地が減少または消失したりする可能性があります。

CO2排出量・排出原単位の推移

ほかにも、洪水や干ばつなどの発生にともなって農業に悪影響が出て食料危機が起きたり、暑い国の病気だったマラリアがいろいろなところで発生したりするなど、地球温暖化で引き起こされる影響ははかりしれないものがあるという研究結果も出ています。地球上の生物はだいたい300万〜1100万種類いると言われていますが、地球温暖化などの影響により2050年までに全生物の1/4が絶滅してしまうであろうという国際調査報告も出されています。




 心配されるのは、自然環境への影響ばかりではありません。例えば電気について考えてみると、高温や熱波の増加などの異常気象が続けば、私たちは今までと同じように暮していくことはできませんね。快適を求めてますます冷房が使われ、当然エネルギーをこれまで以上に消費していくことになるでしょう。また、降水量や積雪量が減少してしまうことで水力発電をしにくい状況になったり、台風の強力化・大規模化によって電力設備が被害を受けやすくなったりすることが予想されます。そういう意味で、電力だけでなく他の産業へのダメージも大きくなるといえるでしょう。

(3) 私たちにできることはなんだろう? 〜みんなで取り組む省エネルギー〜

地球温暖化の問題については、地球規模でもいろいろな取り組みがなされています。2005年2月には、温室効果ガスの排出削減義務などを定めた国際的な約束である「京都議定書」が発効されました。これは「先進国が2008から2012年までに温室効果ガスを先進国全体で1990年と比べて5%削減する」という約束です。しかし、参加国のすべてが目標を達成したとしても、世界全体でみるとたった2%しか改善できないという現実があります。つまり、これを達成するだけでは地球温暖化を食い止めることはできないのです。これはあくまでも地球温暖化対策を世界的に推し進めるためのスタートライン。温暖化を食い止めるべく、地球規模で一丸となって取り組んでいくことが急務といえます。ですが残念なことに、私たち日本は削減目標達成どころか2004年時点で+8%と逆に増加をしていしまっています。今後も目標達成は厳しい状況だといえますが、とにかく一人ひとりが今できる限りのことをせいいっぱいやっていくしかありません。


CO2の発生場所は、運輸、家庭、オフィスなどいろいろありますが、それぞれの場所でいろいろな取り組みがなされています。なかでも、家庭内のCO2排出量は近年増える傾向にあり、日本全体の排出量の約21%を占めていることを考えると、各家庭でより積極的に取り組んでいかなければいけないことがわかります。家庭から排出されるCO2で、一番多いのは自家用自動車で、次に照明・家電製品と続きます。できるだけエネルギーをムダに使わないことが、地球温暖化防止につながっているといってもよいでしょう。小さなことでも、ひとつずつ積み重ねていくことが大切です。家庭で使われている電気の半分はエアコン、冷蔵庫、照明によるものですが、省エネ製品を選ぶようにするだけでもCO2の削減に効果がありますね。特にエアコンやテレビ、冷蔵庫などを購入する際には、「統一省エネラベル※」に注目して選ぶとよいでしょう。星マークが多いほど省エネ性能が高いという表示になっています。(最高で5つの星)。

※ 省エネルギーラベリング制度・・・省エネ性能のより高い製品の普及を目的とした制度。ラベルの表示により、どの製品の省エネ性能が高いのかを知ることができる。対象は13品目(エアコン、テレビ、電気冷蔵庫・冷凍庫、蛍光灯器具、電気温水洗浄便座、ストーブ、ガス調理器具、ガス温水器具、石油温水機器など)。

〜東京電力の取り組み〜


東京電力では、発電時にCO2を排出しない原子力、化石燃料としてはCO2の排出が比較的少ないLNG(液化天然ガス)火力の活用、より少ない燃料で多くの電気を作ることができる効率のよい火力発電設備の導入、風力や太陽光発電設備等の自然エネルギーの導入などによって地球温暖化防止に積極的に取り組んでいます。また、家庭やオフィスの給湯・空調分野のエネルギー利用効率向上に大きく貢献するヒートポンプの開発・普及、家庭用自然冷媒給湯機「エコキュート」の実用化など、「電気を使う」面での取り組みも積極的に行っています。



そのほかにも、省エネルギーに関するキャンペーンの実施や情報提供、植林事業や国際協力など、様々な取り組みを展開しており、また、子どもたちにエネルギーや環境問題に関心を持っていただくことを目的に、地域の教育機関とも連携しながら環境教育支援も行っています。今回の「エネルギー環境教育研修会」もその一環と言えます。この研修会を通じて、小中学校等における環境教育の充実に少しでもお役に立てればと考えています。実際、研修会後の先生方のアンケートでは、「総合学習の時間の環境や理科、社会科の内容として生かせるものが多かった」「エネルギーと環境との関わり方についてよくわかった」「とても充実した研修でよかった。6年生に電磁石を教えているので有効です」というお答えもあり、今後のより充実した活動へつなげていけたらと思います。