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HOME > この人に聞きたい! > 第5回 : 高野登氏(第1弾)

インタビュー:この人に聞きたい~仕事・やりがい・お金~

インタビュー:先輩インタビュー
インタビュー:学生記者
高野 登氏

第5回:高野 登氏

1953年、長野県生まれ。 ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社 支社長。
プリンス・ホテルスクール(現日本ホテルスクール)第一期卒業後、ニューヨークに渡り、ホテルキタノ、 NYスタットラーヒルトン、NYプラザホテル、SFフェアモントホテルを経て 1990年ザ・リッツ・カールトン・サンフランシスコ入社。1992年に日本支社立ち上げのために来日。 その後ホノルルオフィス開設のためハワイへ転勤後、1994年に日本支社に転勤。ザ・リッツ・カールトン・ホテル大阪の開業準備に参画。現在は東京の開業を見据えブランディング活動に取り組む。リッツ・カールトンの成功事例を中心にした、企業活性化・人材育成・社内教育などの講演依頼が後を絶たない。


取材日:2005年11月

1997年大阪開業以来、日経ビジネス「2004年企業トップが選ぶベストホテル」第1位ほか、常に人気ホテルランキングの上位に位置し、お客様の満足度の最も高いホテルのひとつ、それがザ・リッツ・カールトン大阪です。2007年春には東京への進出も決まり、あの上質なサービスが六本木の「東京ミッドタウン」で展開されることになります。
今回は、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーの日本支社支社長の高野登さんに、ホテル業界で働くことの魅力や、今後の業界動向、さらには御自身の教育論についてお聞きしました。【編集長(代田)】

INDEX

 第5回


 第6回

第1章 日本のホテル・観光業界は、これから一番面白い時期に入ります

日本のホテルはこれまで筋力がなくても伸びてきました。

高野 登氏

ザ・リッツ・カールトンは、大阪が開業した今でこそ日本でも名前が知られていますが、以前は出張で日本に来た際に、電話で「リッツ・カールトン・ホテルの高野です」とメッセージを残しても「ディスカウント・ホテルの高野さん」と聞き間違えられるほど認知度が低い時期がありました。このままではいけないと、私はリッツ・カールトンのブランド戦略とビジネス戦略とを網羅した設計図を描き、陣頭指揮をとり、実践してきました。  振り返ると、日本のホテルの業績は、高度成長期とバブル期に異常な伸び方をしました。ホテルに限らず、マーケット全体が伸びたラッキーな時期でした。厳しい競争や内部努力をしなくても自然に右肩上がりに伸びたことが、今になってボディブローのように効いてきて、本当は力をつけなければならない場所の筋肉が全然ついていない状況のホテルもあります。

一方、バブル期以降に開業した外資系のホテルは、グローバル市場における熾烈な闘いを勝ち抜くために、財務力、オペレーション力、マーケティング力、人材教育といった部分に競争力という筋肉をつけてきました。そして、それをひっさげて、ある意味では純粋培養だった日本のホテル業界に登場してきたわけですね。だから、外資系のホテルが日本の市場で優位性を築くための方程式は、ある程度はできていたのです。しかし、日本古来の“おもてなしの心”を基盤とする日本のホテルが「ここは一番、ふんどしを締めなおしてかからねば・・」と見直しに入り、リノベーション(※既存の建物の改装・改修)をし、組織改革に着手し始めていますので、これからは外資系のホテルが一人勝ちをするというわけにはいかないでしょう。

これからは企業哲学があるかどうかが、差別化の大きな要素になります。

危機感を持っているホテルが「ふんどしを締めなおして」改革を決行するときには、自分たちのホテルのオリジナリティーは何か、オンリーワンになるための要因は何かをみんな考えるわけですよ。そのときには、ホテルに企業哲学があるかどうかが差別化を図っていく一番大きな要素になってくるんじゃないかと思います。

リッツ・カールトンでは、「クレド」と呼ばれるホテルの信条や理念、つまり企業哲学を書いたカードを従業員に常に持たせ、行動の規範にしています。規範という意味ではマニュアルも必要で、決してそちらを軽んじているわけではありません。現場での作業や接客の基本的なマナーなど、手順や型をまずきちんと押さえることは大事です。その上でマニュアルを超え、次のステップに行くためにはやはり「感性の羅針盤」としてのクレドが必要となるのです。リッツ・カールトンのクレドは、アメリカでは、大学のホテル学科の研究事例として既に注目されていますし、外資系ホテルは、我々に限らず、最初から企業哲学をしっかり踏まえて日本に入ってきているのです。

日本のホテル業界も、日本人の「おもてなしの心」とは何か、グローバル市場でそれを伝えていくためにはどうするのか、社会に対してどういうメッセージを送ったらいいのかについて真剣に考え始めていますので、これからが一番面白い時期になりますね。ザ・リッツ・カールトン東京も含めたいろいろなホテルが2008年までに開業します。外資系ホテル同士の、あるいは日本のホテルを含めた業界全体で、競争原理を踏まえた熾烈な闘いが待っています。

これからは、「国際都市・東京」の競争力が問われる時代になるでしょう。

高野 登氏

「面白い時期になる」の意味にはもう一つあって、ホテル業界でのマーケットを見たときに、ロンドンやパリ、ニューヨークなどと比べて、「国際都市・東京」の競争力はどうかを考えなければいけません。

東京そのものの持っている競争力や魅力はいっぱいあるんですが、ではラグジュアリーホテル(※ワンランク上の贅沢を提供する上質なホテル)の充実度はどうか。ニューヨークにラグジュアリーマーケットを対象にした国際コンベンションを誘致しようとしたら、受け皿となるホテルはいっぱいあるわけです。ロンドンもパリも全く問題ありません。ところが、日本で開催するにはまだまだ問題がいっぱいあります。

今後、コンラッド、マンダリン・オリエンタル、ザ・ペニンシュラなどの外資系ホテルが次々と開業し、ザ・リッツ・カールトンが開いて、ラグジュアリーマーケットに対応できるホテルがたくさん増えてきます。なおかつ、力を持った日本の老舗のホテルたちが組織がえをし、リノベーションを行い、世界のトップクラスのホテルと十分競合できるものが増えてきます。これだけ質の高いホテルが出揃うわけですから、今後は小さいパイの奪い合いだけでなく、目を大きく外に向けるべきでしょうね。今まで海外の他都市で開催されていた国際コンベンションを東京に誘致するには、どうやって「東京」の魅力をアピールするか。他の国際都市に負けない競争力を産業全体でさらに盛り上げていくには何が必要か。そういう世界市場まで枠を拡げた大きな視点でマーケットを捉えてほしいですね。

国際化社会の中で、人の動きはもっと大きく速くなってきます。それに日本のホテル業界がどう対応できるかを考えていくと、さらに楽しい、面白い時期に入ってくるんじゃないかと僕は思います。

 

このインタビューに関連する本・DVD等



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