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13歳のハローワーク 村上龍氏の職業紹介

[ケンカが好き]プロレスラー

力道山やジャイアント馬場、アントニオ猪木はもうリングにはいない。ヒーローが去り、プロレスが大衆娯楽だった時代は終わった。代わって、格闘技系の闘いが人気を博しているが、プロレスとは本質的に違う。プロレスの本質は誰が強いかだけにあるのではない。観衆を魅了し驚嘆させるために、肉体を鍛え、技をあみだし、試合ごとにライバル関係や遺恨関係をつくり、リングで壮大なショーを展開する。プロレスラーは体ひとつの世界だが、中学校卒業以上という条件を設ける団体が多い。現在、20を超える団体があり、前座からメインを張る者まで多くのレスラーが競技しているが、その下にも多くの若手が控えている。ケガがつきもので下積みで終わる人も多い。アマチュアレスリング経験者が目指す傾向が強いが、大相撲や柔道などスポーツ全般から転向者が増えている。厳しい修業のあとデビューになるが、移動と練習と試合を繰り返すタフな職業である。1970年代半ばに登場した女子プロレスも同様にタフな職業だが、男子にはない軽やかさと華やかさで観客を沸かせる。