
武勇伝、敵討ち、政治などを題材にした物語を、調子をつけて語る人。講談は日本の伝統芸能のひとつで、奈良・平安時代にはすでに原型が見られたという。講談師は、寄席の高座などに置かれた「釈台」と呼ばれる机の前に座り、それを「張り扇」でパパンと叩きながら、物語を調子よく語る。語るといっても本の朗読などとは違い、独特のしゃべり調子と声のメリハリに大きな特徴がある。落語では題材によって扇子や手ぬぐいを小道具にすることがあるが、講談の場合は、張り扇の音を効果的に使いながら物語を進行していく。題材は歴史的な事件が多く、庶民の生活を会話中心で展開する落語に対し、講談は、武士や政治の世界を第三者から見た客観的な語りで描写する。例えば水戸黄門や大岡越前、清水次郎長などの物語は、テレビなどなかった江戸時代に講談の題材になり、人気の演目になったという。古くから読み継がれている古典のほか、最近は、国際的事件や経営論などの新作を作る講談師もおり、また女流講談師も増えつつある。

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