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インタビュー
●第31回 漆紫穂子氏
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第7章 親の価値観を押しけるのではなく、子どもの「好き」を大切にする。

―― 親御さんへのメッセージもいただけますか?

漆:
人として相手を大事にするとか、約束を守るとか、社会に出てどのような仕事に就いても要求されるルールってありますよね。こういうことは、子どもがどんなに文句を言おうとも、徹底的にすじを通すべきだと私は思います。基礎を身につけて自己責任が取れる年齢になってから応用をすればいいのです。

それから、ストレスや困ったことは将来の栄養になりますから、子どもがかわいそうだからと成長に必要なハードルを先回りして取ってしまうのは、かえってかわいそう。自分自身の力で乗り越えるのを見守り、生きて行ける力をつけるサポートをするのが大人の仕事だと思います。

親の仕事はそこまでで、あとはできる範囲で情報やチャンスを与えてあげられればいいのではないでしょうか。その際注意しなければならないのは、子どもは、自分たちが経験したこととは違う世界に出て行きますから、親の価値観で子どもをジャッジしないということです。

知人が、ある外資系企業の日本法人ができ、その会社に就職しようとしました。ところが、周囲の人たちからは、「そんな聞いたこともない怪しい会社には行かない方がいい」と言われたのです。それでも知人は、その会社に就職しました。結果、その会社は発展し、その人の仕事は充実し、責任ある立場になり、経済的にも恵まれました。

親には経験と愛情があるので、よかれと思ってつい口出ししてしまうのはよく分かります。それをグッと抑えて、見守ってあげるもの愛情です。子どもには子どもの人生があるのですから、親の価値観を押しつけるのではなく、子どもの「好き」という気持ちを大切にしてあげてください。好きなことに出会えること自体が貴重です。人は好きなことだとやる気のスイッチが入り、一生懸命できるからです。そして、その気持ちが他へも波及したり、そこで積み上げたノウハウが他に価値転換できたりもします。未来は誰にも分かりません。今は無駄に見える好きなことが将来仕事に結びつくこともあるかもしれません。

ただ、これは微妙なところで、子どもはただ夢だけ見ていても、「好き」を仕事にはできません。卒業生が、親を説得したいと私のところに相談に来ることもあるのですが、そこで私は、どれだけの計画性を持っているのか聞きます。そこで、その計画が不十分だったら、「親を説得できるくらいの材料をきちっと調べて準備していないようなら、あなたの真剣さもそれほどじゃないんじゃないの?」と言います。その意味では、親御さんの反対も一つのハードルとして、時には大事だと思いますね。

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