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回答・コメントする(No.11617)
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薬剤師はなることができても務めることが難しいですか。
[Q] 私は薬剤師に憧れています。親にも自分も薬剤師になっておけば良かったと言われ、ますます大変でも薬剤師になりたい気持ちが高まりました。しかし、人に聞いたりネットで見たりしていると、医療系に就きたい人が医療ミスの少ない耳鼻科や薬剤師に憧れて目指す人が増えていると訊きました。そのため、私が大人になる頃薬剤師になることができても、務めるのが難しくなりませんか。 また、お給料が安くなったり勤務時間が長くなったりしますか。 女性も男性も変わらない職場ですか。 断定でなくて構いません。おおよその検討、ご意見お願いします。

先ほどの回答の続きです。
薬剤師になれば将来安泰だね、というような意見を言う人もいますが、これは絶対に間違った考えです。
今後この業界は大きく変わることは間違いありませんが、それが良くなるのか、悪くなるのかは誰にもわかりません。
私の周りでは、薬剤師は将来明るい!と考えている人は誰一人いません。むしろ「この先どうなるのか…」と不安を抱いている人のほうが多いように感じます。
なぜかというと、今の薬剤師は国民に評価されるほどの仕事ができてないからです。
最近では調剤薬局は儲けすぎだ、という批判がでたり、「日本の薬剤師はいらない!」というスバラシイ意見を叫ぶお医者様もいます。
一例として、ジェネリック医薬品についての話をします。
りりんごさんは知らないかもしれませんが、日本の国民皆保険は崩壊寸前です。
※国民皆保険とは、保険料を納めている人は誰でも低価格で医療を受けることができますよ、という制度です。例えば、りりんごさんが交通事故で骨折して治療費に10000円かかったとします。でも実際りりんごさんは医療費の3割(3000円)を払うだけいいです(地域によっては無料の場合もある)なぜかというと、りりんごさんの親御さんが毎月保険料を納めているからです。
国民皆保険の財源は、労働者から少しずつ集めたお金で成り立っているのですが、その財源はパンク寸前です。少子高齢化により、医療を必要とする高齢者が増え続ける一方、保険料を納める労働者が減り続けているからです。
これを改善するため、薬剤師の大きな課題の一つとして「薬剤費をさげる」という仕事があります。これは医師が処方した薬を、値段の安いジェネリック(GE)医薬品に変更する、というものです。
しかし、GE普及率が60%のアメリカ、カナダに比べて、日本は約20%。先進国では異常な低さです。GE医薬品の普及率向上は国を挙げてのプロジェクトなのですが、現在も目標に到達できてません。とくに調剤薬局の薬剤師が頑張らなければならないのですが、仕事ができてないと批判されています。
日本の薬剤師はアメリカより10~15年遅れているといわれています。
私はカナダにいたことがありますが、カナダの薬剤師(pharmacistという)は、やはり仕事の幅も広いです。カナダでは薬剤師は国民に支持される専門職No.1(20年連続)なのです。日本では考えられないでしょう。
「低コストによる医療の実現」は高齢化社会である日本において急務です。そこに薬剤師が貢献できる可能性は高いのですが、現状の日本の医療システムではかなり困難です。薬剤師のレベルの問題もありますが、利権争いの部分も大きい。日本の医療では、医師がほぼ全権を持っているため、何をするにも医師のご意見を頂戴しなければなりません。いまだに処方箋に「GE変更不可印」があるところなんて日本だけです。薬剤師がアメリカのような仕事
(一部の処方権、扱えるOTC医薬品の拡大、リフィル、予防接種など)ができるようになれば、かなりコストカットに貢献できると思いますが、実現する可能性は低いと思います。これは医師の食扶持を奪う行為なので、猛反対を喰らうことは間違いありません。
医薬分業の歴史が800年である欧米諸国と、たかだか150年の日本では、国民の意識が違うのです。これを変えるには相当の努力と時間がかかります。
最後に、薬剤師は「これで安定かな…」という考えで職につく人が多いです。寄らば大樹の陰的発想で、安定安心を求める人が多い。そうゆう人間が集まった組織で、優れたイノベーションが起こせるでしょうか?これは日本の大企業にも言えることですが、結果アップル、サムソンなど外国の企業との競争に負けて苦戦を強いられています。
これからの薬剤師は、安定職とは言えないことは間違いありません。ただ資格あるだけではダメで、自分から仕事を探さなければ認められない時代になると思います。
弁護士や公認会計士同様、人数が増えれば条件が悪くなることは間違いありません。国に保護されている仕事である一方で、国の政策如何に容易に影響を受ける職でもあります。
絶対安定したいなら「医師」になったほうがいいです。間違いありません。

薬剤師歴6年です。
現場で働いている者のほうが、より正確な情報を提供できると思うので回答させていただきます。
Q1.私が大人になる頃薬剤師になることができても、務めるのが難しくなりませんか。
A1.りりんごさんは中学生なので、薬剤師として社会に出るとしたら10年後くらいでしょうか。
2025年、薬剤師業界はどうなっているのでしょう。様々な意見がありますが、一番叫ばれているのは「薬剤師過剰時代がやってくる」ということです。
現在は薬剤師不足により空前の売り手市場ですが、10年後需要が供給を下回ると言われています。これは薬学部の乱立により薬学部の定員が約8000から13000に増えたことが一番の原因とされています。
しかし「過剰にはならないのではないか」という意見もあります。
根拠として
●薬学部は幅広い進路が可能なので、卒業生全員が薬剤師をやるわけではない
●薬剤師業務の多様化によりニーズが増える
●6年間という在学期間の長さと学費増から、新設校では定員割れになるところもある
●国家試験の難易度が上がり、合格率が下がる
●新設校の学生はボーダーフリー(偏差値がない)で入学したような学生が多いので学力が低く、卒業できない学生が増加
などがあります。
Q2.お給料が安くなったり勤務時間が長くなったりしますか。
A1.薬剤師の給料は需要と供給バランスに影響を受ける部分が多いです。つまり薬剤師が増えれば当然給料も下がる可能性が高いです。
また病院に勤めれば夜勤がありますし、薬局でも将来的には24時間営業になる可能性があります。そうなれば当然勤務時間も長くなるでしょう。
Q3.女性も男性も変わらない職場ですか。
A3.基本的には何もかわりません。薬学部は女性の割合が高いので、薬剤師も女性のほうが多いです。実力があれば管理職など出世もできます。
Q4.薬剤師は医療ミスが少ない
A3.毎年大きな事故があり、昨年は埼玉のほうで一人亡くなりました。私も一度、患者さんを病院送りにするような大きな過誤を、間接的に経験したことがあります。

ハローワークで求職者の皆さんの支援をした経験から回答します。
薬剤師さんになれたとの前提で説明です。
Okですよ。男女関係なくそして年齢の壁もなく働けます。
求人も沢山あります。心配することは”全く”ありません。
将来独立することも可能です。
東京の練馬高野台駅前にある大学病院がオープンすると発表された後、
まずその周辺で始まったのが沢山の薬局の開店でした。
約10年前ハローワークの求人開拓推進員として練馬区内を中心に歩いていたので、
この光景は今でも良く覚えています。
これからも益々薬剤師さんのニーズはあります。
そんな心配する前に薬剤師さんになれる様に一生懸命勉強して下さい。
貴方の投資は必ず倍になって帰ってきます。
あとは貴方のやる気と本気次第です。
ネットで薬剤師関連のニュースを調べて下さい。
ドラッグスト―アーでのニーズや薬のネット販売解禁が薬剤師さんの更なるニーズにつながるのか、
保護者の方と相談し、目指す方向が間違っていないのか確認してください。
どんな仕事に就いても職場の人間関係に苦労します。
でも、薬剤師さんの資格は強いと、経験から言えます。
私の回答はあくまでも東京を中心とする大都市での薬剤師さんのニーズです。
もし貴方が地方に住みその周辺に病院がなく、あってもすでに既得権を持つ薬局がある場合は
事情が異なります。そしてまた近い将来新規の病院開設の予定がない場合も上記の説明は当てはまりません。もう一つ病院の統廃合が予定されている場合も当てはまりません。
診療報酬だけにたよる病院経営も大変です。
経営次第で患者さん、調剤薬局、関連業務、そして医師、看護師さん、
そして病院職員さんたちの運命が変わるのです。
あくまでも参考程度にして下さい。