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回答・コメントする(No.11636)

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もっと教えて!フォーラム 質問 幹部自衛官って具体的にどんな仕事をするんですか?

[Q] 陸上自衛隊の幹部自衛官を目指している小学6年生です。                     どうやったら幹部自衛官になれるか、などはわかったのですが、幹部自衛官はどのような仕事をしているかがわからないので質問しました。                           どんな種類の仕事があるか、その仕事の特徴なども教えていただけるとありがたいです。

2013/07/03 13:48  耕介さん[医師]
[A.3]

私は航空自衛隊所属の医官で、幹部自衛官でもあります。
自己完結性の話は、基本的にははんがんさんがおっしゃる通りです。自衛隊にはいろいろな職種や特技があって、それぞれの分野で自分の役割を果たすことが求められます。その点では幹部自衛官も曹士自衛官も同じです。
ただ、幹部自衛官と曹士自衛官の相違点は、(陸海空の自衛隊すべてに言えることですが、)幹部自衛官は階級(噛み砕いて言うなら、部下隊員の数)の違いはあっても指揮官ですが、一方、曹士自衛官は幹部自衛官の命令を忠実に実行する隊員という点です。だから幹部自衛官にいちばん求められる能力は企画立案能力や判断力、そしてリーダーシップですが、曹士自衛官に求められるのは、専門的知識や技能と粘り強い実行力です。
階級だけを見れば幹部の方が曹士よりも上ですが、専門的経験やノウハウは現実にはベテランの曹隊員の方が上ということはよくあり、曹隊員の力なしには自衛隊は動けません。しかし狭い専門性では優れた曹隊員でも、異なった専門性や職種を有機的に束ねて自衛隊全体で効率よく効果的に動くためには、視野が広くて判断力の高い幹部自衛官が曹士隊員に適切な指示や命令を下して全体の統制をとらないと、自衛隊全体で力を合わせることができなくなります。
部活動でも全員がキャプテンや監督だったらプレーヤーがいなくなりますし、プレーヤーだけでキャプテンも監督もいなければ、みんな自分勝手なプレーを思い思いにやることになりますから、勝利に向けて力を合わせられなくなりますよね。それと同じです。幹部と曹士はどちらが偉いとか上だとかいうことではなく、求められる役割が違うと考えてもらえるといいかなと思います。
ヘロロンさんは幹部自衛官になりたいのですね?だとしたら、何でもいいからこれだけは誰にも負けない何かをひとつ、一生懸命自分のものにした上で、みんなをまとめるリーダーシップを身につけていくことが大切です。
ただ、誤解しないでください。威張ることや脅かして黙らせることはリーダーシップではありません。威張る人を好きになる人、尊敬する人はいないからです。仲間を思いやり、仲間の意見や考え方をまとめ、調整し、仲間のために頑張れる人の言うことだからみんな従いたくなるのです。そういう人になれるよう、頑張ってみてください。
あなたが夢を実現できるよう祈っています。


[A.2]

ありがとうございます。自衛隊には戦うだけが仕事ではなく、私たちの暮らしと似ている仕事もある、ということがわかりました。まだ10年ちょっとしか生きてないので、どんな事があるかわからないし、夢だって変わっちゃうかもしれないけど、国を守るという仕事にあこがれているので、よく考えて決めて生きたいと思います。本当にありがとうございました。


[A.1]

こんにちは。自衛官というお仕事は、外から見るのと中で勤めるのでは大ちがいとのことなので、私のコメントは話半分で聞いてください。なお、説明の都合上明らかに小学生では学ばない漢字や単語が出てきます(軍事に関わる用語は下手に簡単にすることができません)が、そこはがまんしてください。

1.幹部自衛官と言っても、その人がどの「地位」にいるかで、仕事の内容はぜんぜんちがいます。
例えば、幹部候補生学校を経てたいてい最初に任官する「3等陸尉」と、陸上自衛隊制服組トップの「陸上幕僚長(りくじょうばくりょうちょう)たる陸将」では、年齢も与えられる任務・責任などがちがう、ということはあなたでも想像できると思います。
また、例えば同じ「1等陸尉」という階級でも、その人が「普通科中隊長」なのか「師団本部の兵站(へいたん)担当」なのかで、する仕事は全然ちがいます。言葉は悪いですが、「戦場でいかに多くの敵を倒すか」も「戦場でどうやって兵士にお風呂に入ってもらうか」も、どちらもちゃんとした自衛隊のお仕事です(その良し悪しを議論するのは、このサイトの目的ではありません)。

2.自衛隊に限らず、一般的に軍隊とよばれる組織は、「自己完結型」といって、自分達だけで仕事のすべてを解決できるような仕組みを持っています。自衛隊という組織だけで、一つの社会ができています。そこには当然戦うための集団がありますが、その他にも、建設作業をしたり、人やものを運んだり、郵便や食堂や病院があったり…などなど、私たちの普段の暮らしと似たような仕組みがあります。
陸上自衛隊では、それらの仕事を「○○科」という16種類に分けています。それぞれがどんな仕事をしているかは、インターネットでも調べることができますから、興味があればがんばってください。

3.あなたはどうして陸上自衛隊に入りたいと思っているのかな? 今、あなたが感じていることをよく覚えておいてほしい(できれば何かに記録してほしい)。あなたが大学を選ぶ時でもやっぱり防衛大学校に行きたいと思う時、その記録を読み返してほしいと思います。国を守るということは、とても難しく、かつ大切なことです。あなたがどんな気持ちでそのお仕事につくのかを、あなたがもう少し大きくなった時に、よく考えてもらえると、うれしいです。