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回答・コメントする(No.11824)

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もっと教えて!フォーラム 質問 宇宙と医療

2013/12/06 14:07  乃亜さん[中学生・女]

[Q] 中学生女子です。

私は宇宙と医療に関する仕事がしたいと思っています。
しかし、両方の混ざった仕事はないのかと疑問に思いました。

宇宙と医療の混ざった仕事はないのですか?

思い当たる節があれば教えてくださいm(_ _)m

2013/12/15 00:37  マリオンさん[医師]
[A.3]

乃亜さんはじめまして。医師のマリオンと申します。

前の回答と全く違う角度から話をします。
医療といえば医師、宇宙といえば宇宙飛行士、と思うかもしれません。しかし、医学も宇宙科学も関連する仕事は実に広いのです。

最近の医学界では、宇宙空間の実験で新しい発見をしよう!という動きが話題です。
1)宇宙空間ならば、重力の影響も、周囲の気体成分(窒素や酸素、水など)の影響も受けず実験ができます。地球上で合成できなくても、宇宙空間でならば画期的な治療薬・治療材料が開発できるかもしれません。
2)宇宙空間は筋肉をほとんど使わずに生きる特別な場所です。宇宙飛行士の筋肉はやせ細り、骨がスカスカになっていくのが知られています(だから彼らは自転車漕ぎなどの運動をわざわざやっています)。一方地球上では、「両足の骨を折って、2週間ベッドから動けなかった」「心臓の手術でやむなく3週間ベッドで安静」など出来事の後、筋肉や骨が衰えてしまい歩けなくなることがよくあります(特に高齢者)。こういった「安静が続き運動機能が低下した人間」のリハビリテーション研究には、宇宙空間で生活した人間のデータがとても役に立ちます。

ある意味、宇宙飛行士は宇宙に送られた実験動物です。彼らはそれを了解して実験に参加しています。宇宙で得た実験データを地上で解析する科学研究者が世界中にいる事を知ってください。

JAXAのホームページでは、宇宙での実験を元に研究を進めていく科学者が複数紹介されています。隅から隅まで読んでみてはいかがですか?
↓小中学生向けのページ(中学生にとっては子供っぽい内容かもしれません)
http://www.kids.isas.jaxa.jp/job/kurotani01.html

↓大人向けのページ
http://www.jaxa.jp/article/special/experiment/index_j.html


[A.2]

こんにちは。先のコメントがあまりにも雑なので(質問者さんにも向井さんにも失礼でしょう)、門外漢ですが少し言を加えます。

宇宙と医療が混ざったというのは、どういうことをイメージしているのかな? ちょっとぼんやりしていて、いい説明が難しい。ひょっとすると宇宙空間で医師の仕事をしたい、ということかもしれませんが、それはSFの世界…とは言いきれなくなってきたようです。

さて、宇宙飛行士を1人宇宙に飛ばすためには、地上で常時10名以上の医療スタッフがサポート要員として、様々な仕事をしています。単純に宇宙飛行士の体調管理・宇宙行きの可否(今のところ宇宙には病院がありませんから、事前の健康診査は重要です)というあたりから、飛行中・その前後での精神面のサポート(実はこれがもっとも重要かも)、宇宙空間での肉体の変化の観察など、仕事はたくさんあります。
また、現在民間による宇宙開発が本格化しつつありますが、その大きな目的の一つに、文字通り宇宙での医療活動が挙げられています。簡単に言えば、宇宙空間に病院を作って、地上では治療が困難な患者の治療をしよう、というものです。今はなくても、あと30年、いや、20年以内にはそういう計画が本格化するでしょう。
今軌道を回っているステーションがいつまで動いているかは分かりませんが、将来はもっと大規模なステーションが建設されるはずです。そのときには、専門の医療スタッフが救命医や看護師として、ステーション内に常駐するかもしれません(今は3名いる宇宙飛行士のいずれかが、簡単な医療行為ができるように訓練されているだけです)。このあたりは、例えばアーサー・C・クラークなどの小説や、「プラネテス」などでも描かれているので、興味がある向きは一読してみてください。

今現在、宇宙空間で医療の仕事というのは、事実上宇宙飛行士の技能の一つでしかありません。でも、それほど遠くない将来、「私は宇宙で医師をしています」という人が登場しても不思議ではないところまで来ています。もちろん、そうした仕事に就けるのは、優れた能力と幸運に恵まれた、ごくごく限られた人なのですが、あなたがバリバリ仕事をする頃には、少なくとも今よりはチャンスがあるはずです。


[A.1]

あなたの質問を読んで直ぐに向井千秋さんのことを思い出しました。

もし仕事白書登録者の方から回答がない場合は向井さんにお手紙を書いてあなたの熱い思いを伝えればどうでしょうか。何事も勇気をもって行動することが大事です。

「向井千秋 1994年初飛行(STS-65)。日本人・アジア人の女性として初の有人宇宙飛行。1998年に2度目の飛行(STS-95)を行い、複数回宇宙に出た最初の日本人となった。慶應義塾大学医学部卒(心臓血管外科)。JAXA・NASA宇宙飛行士。」