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回答・コメントする(No.1802)

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もっと教えて!フォーラム 質問 スーパーカーのカーデザイナーになりたいのですが・・

2007/04/10 13:37  Lunaさん[中学生・女]

[Q] 中学3年になりました。女子です。美術部です。
 私は海外のこと、特にイタリアが大好きでして、独学ですが伊語に少し手を出しています。イタリアといったら、建築などの美術分野や料理などが有名ですが、スポーツカーに関してもフェラーリやランボルギーニなど大企業がたくさんあります。そんな魅力にひかれて、将来はイタリアと日本を行き来する、あるいはイタリアに住みたいとも思っています。
 そこでですが、以前カーデザイナーに関する書き込みを読ませていただいたところ、カーデザイナーになるにはカーデザイナーの学科のある専門学校あるいは大学で学ぶ、ということでしたが、専門学校・大学へ入るためには、どのような高校へ進んだらよいのでしょうか。また、専門学校・大学卒業後、どうすればよいのでしょうか。そもそも、海外大手カーメーカーでは、外国人のカーデザイナーの需要はあるのでしょうか。ぜひ、教えてください。
 

2007/04/15 06:43  Lunaさん[中学生・女]
[A.2]

ありがとうございます。
カーデザイナーになること事態、狭い門だと良く聞きます。私、自身もネットでカーデザイナーになった方々の成り立ちや、カーデザイナーの職業について調べてみました。私の結論で言うと、カーデザイナーとは数学・理科・美術、そして私は外国での就職を目ざしているわけですから、語学も要する大変マルチな職業という感じです。つまり、はんがんさんのおっしゃるとおり理系の頭脳とアーティスティックな感情の両立、今、中学で習っている科目をフル活用しなければいけないというわけですね。家族や親戚はよく、大人になって、就職して生活していても理科や数学の定理や公式、国語や英語の文法なんてほとんど使う機会がないといいます。しかし、わたしにしてみれば、せっかく習ったことなので、それをを生かしていけるような仕事に就かなければ損だと思い、今まで本屋さんへ行く機会があったなら仕事に関する本や資格・検定本を手にとってみたり、ネット(13さいのハローワークなど・・)で調べてみたりと色々探りを入れてみました。私は、大変欲張りな性分ですので、自分が興味を持っていることを、余すとこなく仕事にしたいのです。だから、私なりにがんばっていきたいと思います。

ところで、理工系・産業デザイン系の大学に進学するとしたならば、高校選びは、どういうことに注目してすればいいのでしょうか。


[A.1]

こんにちは。ご参考程度に読んでみてください。

スーパーカーに限らず、自動車のデザイン(設計)は、基本的に純粋なモノづくりの世界です。個人が趣味で作る物(日本ではちょっと無理ですが)は別として、自動車は先端科学技術の粋を集めた工業製品であることを、よく認識しておいてください。ただ、その中でイタリアやフランスなどの国々で作られる自動車は、工業デザインの中にあってもどこかアーティスティックな香りがするところが特徴です。とりわけ、スーパーカーといわれる車種は、自動車として桁違いの性能(例えば、きちんと設計された翼をつければそのまま飛べてしまう)と美しいフォルムのバランスの危うい魅力が、多くの人たちをとりこにしています。
言い換えると、単に美しいだけではダメで、自動車として十分、いや、無駄なぐらい十分すぎる性能を両立しないと、スーパーカーのデザインとはいえません。カーデザイナーというお仕事は、単に外見を決めるだけでなく、その自動車に求められる性能をどうやって車体に詰め込むかということも考えないといけません(というか、こちらが本当の仕事です)。中には外見だけを考える方もおられますが、そういう方でもかなり高度な工学理論を修める必要があります…いくら見た目が美しくても、実際に製造できないと+安全に走れないと、自動車とは言えませんから、その形状にはかなりの制約があるのです。その制約をあっと驚く姿で打ち破ってくれるのが、スーパーカーの魅力ですが。

日本の自動車メーカーと同様に、外国のメーカーでも外国人をカーデザイナーとして採用している例は少なからずあります(ただし、きわめて狭い門です)。イタリアなどには有名なカーデザイナー養成学校がありますが、世界中から希望者が殺到するので、入学には相当な努力が必要でしょう。現地の言語で専門的な学習ができるぐらいの語学力は、最低限必要です…イタリア語で高等数学の講義を受けることを想像してください。確か日本にはそういう学校はなく、一般の大学院卒業後に自動車メーカーに入社し、車体設計部門に配属を希望するのがコースだと思います。
カーデザイナーとして最初に求められるのは、様々な分野の工学知識です。大学に進学されるのであれば、理工系(できれば機械または要素工学系)の学科を選択してください。産業デザイン系の学科があれば、それもお勧めです。そこで養われた知識があって、はじめてあなたの美術的センスが試されることになります。
ベタな言い方をすると、バリバリの理系の頭脳とアーティスティックな感性が両立して、はじめて優れたカーデザイナーになります。道のりは険しいですが、夢を追いかけることができるなら、ぜひチャレンジしてください。今はまず、あなたの身の回りの品物を見て「なぜ、この製品はこんな形なんだろう」といろいろ考えてみてください。例えばヘッドフォンやケトルなど、身の回りの工業製品の形状には、みんな理由があります。それを理解することが、カーデザイナーへの第一歩だと思います。