こんにちは。TVアニメでの例をかなり単純化して説明しますので、参考にしてください。ドラマでもおおむね同じです。

あなたはTVアニメのオープニングやエンディングのスタッフクレジットを見たことがありますか? 監督・脚本・声優といった目立つスタッフの他にも、たくさんの人たちが作品作りに携わっていることがわかると思います。そこに「企画」とか「プロデューサー」などと肩書きがついている役職が、あなたが希望する職業です。
極めて単純化すると、企画は「こういう作品をTVアニメにするとヒットする（お金が儲かる）」と提案する側、プロデューサーは「その企画はものになりそう(お金が儲かりそう)だから、実際に番組として作ってみよう」と実行する側にあたります。もっとも、「企画」という職業が実際にあるわけではなく、このアイデアはTVアニメに向いている、と考えることができる人なら、誰にでもなれるチャンスがあります(ただし、アニメの制作現場に比較的近い企業に勤める必要はあります)。プロデューサーはれっきとした職業であり、テレビ局やアニメの制作プロダクションなどで勤務しています。プロデューサーの詳細はあちこちに書かれていますので、省略します。
現在では、お金を出資する団体を束ねるため「製作委員会」方式を採用する作品が多いですが、これは企画兼プロデューサーの一種といえるでしょう。原作の版権元の企業などから適当な人材が選ばれます。この他にもある作品をTVアニメ化する作業に関わる仕事はいくつもありますが、ある程度権限を持って仕事ができるのは、これまで説明してきた方々です。

現在放送されているTVアニメのほとんど全てがいわゆる「原作つき」ですが、これは、原作がそこそこヒットしていればアニメの方もそれなりの収入が期待できるだろうといった、ビジネスライクな思考が現在のTVアニメを支配しているという厳然たる事実があることを、決して忘れないでください。また、こうした結果としてTVアニメが没個性化してしまっているため、製作現場ではかなりの危機感が持たれていることも確かです…TVアニメの進化につながった作品の大半がアニメオリジナル作品という業界内での評価は、私も正しいと思います。
アニメ・コミック・ライトノベル・ゲームといった同根の世界から離れた視点も持ちながら、アニメ作品をプロデュースできる人材が、この業界では強く求められています(ほとんどいませんが)。あなたが、単にアニメが・漫画が好きだから、という思いを超えて、いい作品を発掘したいと願うなら、チャレンジする価値があるでしょう。