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もっと教えて!フォーラム
回答・コメントする(No.4080)

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もっと教えて!フォーラム 質問 環境問題に関わる仕事について教えてください

[Q] 私は将来、環境問題に関する職業に就きたいと思っています。今は語学系の専門学校に通っていて来年オーストラリアの大学へ留学する予定です。

留学先の大学を決めるに当たり環境学を学びたいと思っているのですが、先生には環境学にも理系と文系があるといわれ、将来はどのような職に就きたいのかよく考えるように言われました。
確かに、今まで私はただ漠然と環境問題に関わる仕事に就きたいと思っているだけで、環境に関する本や新聞などは読んでいたのですが、職業というと具体的にどんな仕事があってどんなことをやり、何を学んでおけばよいのか知りませんでした。
その後自分でもいろいろ調べてみたのですが、実際に働いている人たちに聞いてみたいと思い質問しました。

環境、できれば環境問題に関わる職業で、国際的に活動する仕事はどのようなものがあるのでしょうか?やはりNGOなどの組織が多いのですか?国連ではどのような組織があるのでしょうか?
また、理系・文系では学ぶ内容はどのような違いがあるのでしょうか?
日本だけでなく外国での事情などについても教えてください。
よろしくお願いします。

[A.4]

自分が何をやりたいのかよく考えたのですが、ある本を読んで発展途上国で環境保護のプロジェクトや環境にやさしい農耕の指導などに関わる仕事に就きたいと思うようになりました。
とりあえず、今は留学して環境学について勉強するつもりです。

はんがんさん、いろいろとアドバイスありがとうございました。

また、そういった仕事をしている方がいましたら、何を学び、現在どんなところで働いているのか教えてください。
よろしくおねがいします。


[A.3]

こんにちは。追加で質問をいただいていますので、コメントを寄せます。全部私事なので恐縮ですが。

1.私が大学で学んだ頃は、環境学なんて学問領域はほとんど存在せず、日本中の大学でも「環境経済学」の講座を持っているところはおそらく一つもなかったはずです。今の「何でも環境」という時代と比べると信じられない気がしますが、あなたがまだ幼稚園に通う前の、日本の環境研究はこの程度のものでした。

2.「経済地理学」とは、ある地域における経済活動を、地理という視点を軸に解析しようという学問です。例えば、「どうして日本の製鉄所はどれも海沿いにあるんだろう」とか、「銀行の支店の設置場所に規則があるの?」ということを考えます(立地論と言います)。
その他にも、「ある地域で近郊農業が盛んなのはどうして?」とか「アメリカの農地で表土浸食が進む一方で、大量消費型経済が拡大するのはどこまで許容できるか?」「ある地域で養うことができる人口はどのくらい?」なんてことも学べます。
地理を考えるということは、そこに存在する環境を視野に入れるということなので、経済地理学と環境というトピックは、昔から近い関係にありました。

3.当時私が学んだことのうち、現在「環境経済学」の範疇に入るものといえば
●おなじみの「割り箸問題」…とうの昔に結論が出ている課題に、未だに誤った(もっともらしい)意見がまかり通っている現状に、日本の環境問題への認識の貧しさを思い知らされますが、それはまた別の話。
●アマゾンの原生林は、本当にCO2を吸収しているのか?…この当時はまだ論争に決着がついていませんでした。
●いわゆる開発途上国における牧畜/家畜動力と地球温暖化の関係について…これは未だによい解決策が出ていないようです。
といったテーマがありました。
ちなみに、私の卒論のテーマは「アフリカ・サヘル地帯における砂漠化の進行と経済活動の関係について」でした。

4.当時、環境と経済を結びつけるという研究はまだ始まったばかりで、今の知見と比較するとずいぶん的外れな議論もたくさんありました。それでも、例えば地球温暖化といったテーマをあの当時にかじることができたのは貴重な経験です。今環境問題として話題になっている事柄の多くは、ちょうど私が学んだ頃に議論としてスタートしたのですが、議論のスタート地点はまだあまり変わっていないのです。
言い換えると、環境問題とはそれほど得体が知れないものです。講座が始まって間もない頃、指導教授が「環境問題に正解はない」と教えてくれましたが、全くもってその通りだと思います。

5.おそらく、あなたが環境問題について学べば学ぶほど、様々ある選択肢のどれが一番いいのかわからなくなってくるはずです(自分の考えが正しかった! なんて言える人は、失礼ながら最初からその結論を目指していただけです)。なぜそれがわからないのか、よく考えることが、あなたが将来環境問題を専門に扱う仕事に就いた時、きっと役に立つでしょう。


[A.2]

はんがんさん回答ありがとうございます。
たしかに、環境学・環境問題といってもたくさんの職業があると思います。もっと将来のことは熟考する必要があると思うので自分のやりたいこと、目指すものをよく考えて決めたいと思います。

とりあえず、今は大学でどのようなことを学ぶのか知りたいのですが(将来のことも決まってないのですが…)はんがんさんは経済地理学でどのようなことを学んだのですか?
また、環境学を専攻したことがある方がいましたらどんなことを学んで、現在のどのような職業に就いているのかを教えてください。
よろしくお願いします。


[A.1]

こんにちは。あなたは既にご質問の内容について自分で調べることができるだけの教育を受けているはずですので、ここでは簡単なヒントのみ示すことにします。

1.「環境学」という学術分野はあまりにも漠然としすぎていて、これを的確に説明すること・また文系と理系の区分をすることは困難でしょう。
強いて言うなら、人の活動と環境との関連を探るなら文系、自然のあり方やその変化を捉えようとするなら理系、という区分が可能ですが、これも多数の例外があります。あなたが環境のどういう部分に関心があるのか、よく考えることが必要です。ちなみに私は、大学の経済学部で経済地理学を専攻し、そこで環境問題を学びました。

2.現在、ほとんど全ての職業が、何らかの形で環境問題と関係しています。先のコメントと一部重複しますが、あなたがどういう形で環境問題と向き合うかによって、望ましい職業は大きく異なります。
例えば、最近注目のCO2排出に関して、その削減に関して国際的な取り決めを作り上げるのも、排出権取引に携わるのも、その排出権取引が果たして本当に地球環境に役立っているか考えるのも、CO2排出を少なくする技術を開発することも、それをは普及(販売)することも、どれも国際的に活動する重要な仕事です(他にもたくさんあります)。あなたはどんな仕事に関心がありますか? よく考えてみてください。

3.なぜあなたはオーストラリアで環境学を学ぶのでしょう? その理由をよく考えてみましょう。
さんご礁の減少や増えすぎたカンガルーをどうするか…これも環境問題。CO2排出が強化されるとオーストラリアの経済はかなり困ったことになるけどどうすればいいか、と考えるのも環境問題。いろんな切り口があります。せっかく行くのであれば、現地ならではのテーマを選び、それが地球全体でどういう位置にあたるのかを学ばれることをお勧めします。