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回答・コメントする(No.4177)
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プロのトランペッターになりたいんです!
[Q] 私は高校生で中学からトランペットをやっています。高校では部活に入らず、市がやっているウインドオーケストラに入団しました。
将来はプロのトランペッターになってシエナウインドオーケストラやブラストのメンバーになりたいと考えています。音大にはいりたいと思っていますが、そのためにどんな勉強&音楽の勉強をしたらいいですか?
今の学力や音楽の能力では入れないと自覚しています。ですが、そのために何をしたらいいかわかりません!
教えてください!よろしくお願いします! :shut:

アミゾウさんさんへ
中学の教師ですが、吹奏楽部の顧問をしており、プロになった教え子もいるので、分かる範囲でお答えします。
シエナや佼成ウインドにも知人がおります。私自身、N響や東京金管五重奏団の奏者についてトロンボーンを習っていました。
プロの演奏家になるためには、他を圧倒するような絶対的な技術が必要です。特に、吹く楽器の場合、就職の間口が狭いので、基本的には、今演奏している方々より上手なことが条件です。たとえば、N響の某パートは、次のオーディションは十数年先…といった具合です。日本で、有名音楽大学のトランペット科だけでも、年間100人くらいは卒業するでしょう。しかし、その方達を就職させるだけの「受け皿」が社会にはないのです。実際、音楽とは何の関係もない職場に入られる方も多いようです。
演奏家に、音楽大学という「学歴」は必要ないですが、そのくらいの「実力」は絶対必要です。最近は、大学院出の方が多いようです。プロの演奏家のプロフィールをごらんになったことがありますね。独学で学んだ人、なんて特別中の特別です。それに、プロの楽団に入る場合、どなたの弟子か、ということは結構重要です。
音色だけでなく、人間関係も決まってくるからです。あるプロのオケで、違う先生の弟子どうしを入れたら、人間的な折り合いが悪く、結局1人は退団して、もう1人の方と同じ先生の弟弟子が入団してきた…なんていう例は、珍しくありません。
アマチュアの楽団は、「みな仲間」で和気藹々とやって、とても楽しいし、よい趣味だと思いますが、プロは、「一匹狼、食うか食われるか」の世界なのです。
何だか厳しいことばかり書きましたが、かといって、プロになっている人が1人もいないわけではありません。夢に向かって頑張って下さい。
私は、明日N響を聴きに行きます! レスピーギの「ローマ三部作」ですよ。(^_^)v

アミゾウさんさんへ
私は音大にも入ったことがありませんし、プロとしてやったこともないのですが、知っていることを少々書きます。
私の同級生が音大に入ったときに受験勉強に付き合ったのでそのときのことをまず書きます。知人はTpで音大に入りましたがピアノと楽典の知識も必須だったため、かなり受験勉強として取組んでいました。tpについては親に頼み込み受験前の1年は週1回の個人授業をつけていました。まだピアノやヴァイオリンに比べ競争率は低いので楽だそうですが。彼女は卒業後は某大手音楽教室のTPの先生をしています。
また、私の身内はプロではありませんがプロのロックなどのバンドでTPを吹く機会があり、数枚のレコードおよびCDに名前が載っています。しかし1回のレコーディングや、ツアーでギャラは数万から数十万だったそうです。また、その知合いのプロミュージシャン(ポップミュージック)は、そのバンドが売れた数年間は食べれたそうですが、そのあとはプロとしてやっていけなくなったそうです。
私の友人はtpではありませんがドラムが上手く、音大どころか高卒でしたが、アメリカにわたって某音楽学院を卒業しアメリカでミュージシャンとしてやっているようです。
はんがんさんが言われるように、練習・練習だと思います。
私自身はSAXを吹いていましたが、上記の彼らのようにそこまで音楽が好きじゃなかったのかと思います。これはこれで、結構楽しめるのですが。

こんにちは。楽器違いですが、素人の金管楽器セクション経験者として、お答えしておきます。よかったら参考にしてください。
トランペットのプロになるには、その人の音楽的素養とともにかなりの技巧が求められます。かなり厳しい。でも、その技巧さえあれば、他の楽器に比べて仕事に就き易いという点では、とても恵まれていると思います。他の金管楽器では、実力がいくらあっても、そもそも勤め先がないのです。
では、どのぐらいの技巧が必要なのでしょうか? 今では少々違うかもしれませんが、ハイD(inBbの譜面で上3本加線した「ミ」の音)が100%出るぐらいは、最低限必要です。その上のハイF・できればさらに上のハイハイBbが演奏できるぐらいでないと、本格的なプロとしてやっていくことは難しいでしょう。吹奏楽のトランペット奏者は、クラシック的な演奏とポップス・ジャジーな演奏の両方をそつなくこなす必要がありますので、いろんんなジャンルの曲に親しむ必要があります。
少なくとも音大に入りたいのであれば、ハイCは確実に出せる程度の実力が必要でしょう。あと、ピアノを一通り演奏できることも必須条件です。
あなたの実力が分かりませんので、とりあえず次の練習をおすすめします。
○下のEからハイBb(上2本加線した「ド」の音)まで、ゆっくりとロングトーンで往復しましょう。半音ずつ動きます。
○12個ある長調でスケールをしましょう。スタッカートとスラーの両方で。速くするのではなく、きれいな音が出ることを心がけましょう。できるところまででいいから、2オクターブ分やってみましょう。2回繰り返しましょう。可能であれば、速い動きにもチャレンジしましょう。
○同じ要領でアルペジオ(ドミソドミソドソミドソミド)をしましょう。もちろん、12個全てで。
○リップスラーをしましょう。あなたがきれいに吹けるぎりぎりの速さで。あなたがきれいにできる一番上の音まで。
これを全部やると、だいたい50分ぐらいかかると思います。残りの20分で、ごく簡単なものでいいので、練習曲を吹きましょう。テクニックではなく、表情豊かな演奏ができるように意識しましょう。練習の最後にもう一度ロングトーン(ただし今度は真ん中のFから下のFまで往復)して、唇の疲れを取りましょう。これでだいたい1時間20分の練習になるはずです。
これを1年間毎日すれば、今よりははるかに上手になれるはずです。その結果音大にいけるかどうかは、あなたの才能しだいです。
…ああ、なんて退屈な! でも、楽器の腕を磨くのは、結局は地味な基礎練習しかありません。特に金管楽器はその傾向が強いです。どうしても派手なテクニックに目移りしますが、その前に、自分の本当の力を豊かにすることを気にかけてください。
それから結局のところ、金管楽器は体力勝負なのです。美味しいものたくさん食べて、どんどん運動して、健康な身体を作ってください(まぁ、吹奏楽部はどこでも体育会みたいなものでしょうが…)。