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回答・コメントする(No.4280)
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やっぱり建築の分野には数学が必要ですか?
[Q] 私は今高2です。
将来何がしたいか?と考えると、何かモノを作りたいと思って理系に進むことを選びました。
それで、絵を描くのも好きで図面とかから大きなモノを作る楽しさを感じ、建築に進みたいと思うようになりました。
まだ設計とか細かいことは決めてないんですけど、建築の中でもデザインできるような分野を学びたいと思ってます。
でも、建築士に向く人の条件に
数学が好きまたは得意じゃないと出来ないとありました。
残念ながら私は数学が好きではなく、苦手です。
理科も勉強してもなかなか理解できません。
文系科目の方が勉強していて楽しいとさえ思います。
建築という仕事はどのくらい数学の力が必要とされるんでしょうか?
またこんな人間でも建築士になれるでしょうか?
今本当に文系に変えようか迷っているので
アドバイスよろしくお願いします

建築というのは、壮大な共同作業です。
持ち場持ち場で、プロがきちんと仕事をするのが、
前提になったオーケストラのような、小さければバンドのような仕事です。
ひとつの現場で共に同じものを作ったメンバーが、再度ひとり残らず
揃うということは稀でしょう。
たとえば、設計士やデザイナーがタイルを上手に張れる能力が必要ではありません。
しかし、一般的な仕上がりとは違うイメージ通りにするには、そのタイルひとつとっても、
現場でどのようにすればよいのかという事を、職人さんや作業長なとど試行錯誤しながら、
自らやっていく場面もあるのです。
コストやメンテナンスの面もある程度理解をしていかなくては、皆に無駄な作業をさせてしまいます。
同じように、他の方もおっしゃる通り、構造計算や法律に対する知識も、意匠担当者はそれが出来る
必要はないわけで、簡単に言えば、理工系と美術(デザイン)系はその辺で線引き出来ると思います。
建築は相当珍しい工法でないかぎりは、地球に建てるものですから、普通の感覚で構造がもつ、もたない、
の議論に参加することが出来ます。法律についても、決まっていて然るべき事ばかりです。
意匠担当は、全てを広く知っている、という事は大切です。
それは、学問からだけでは学べないものも多いです。
建築士を目指す方が、近道かもしれません。
でも計算が出来ることを重視する職種を選ばないことが
前提ならば、敢えてそれは他に任せて、デザインの勉強に支点を置くことも
大切ではないかと思います。
設計士がいなくては、一定規模以上の建築は建てられませんが、
デザイナーは法律では必要ありません。
アパレルなど、デザイナーがいなければ成り立たないであろう業界でも同じです。
ということは、建築デザインを必要としている場所や物件に出会えるところ
で仕事をしなければ、全く存在理由はありません。
しかし、逆に必要とされている場面には、しなければならないこと、
設計士だけでは出来ないこと、が待っています。
そのような職業を選ぶのですから、勇気をもって取り組んでください。
ザボンさんありがとうございます!!
色々自分でも調べた結果、工学部のデザイン系に進みたいと思うようになりました。
まだどのようなものをデザインしたいは決めてないので、
その分野に携わる方のお話を良く聞いて、じっくり考えたいと思います。
本当にありがとうございました

デザイナーであれば、構造計算は建築事務所に依頼して、全体的なイメージでプランニングする事も可能です!ただ、そこまでの地位に立つ為の努力が当然必要です!その為にはそう言う実績の有るデザイン事務所に就職する事が近道だと言えます!
はんがんさんありがとうございました!!
ひとまず今は数学も頑張りつつ、資格をとらなくても出来る仕事などを自分で探していきたいと思います!!

こんにちは。例えばあなたが建物の外観の見栄えを考える仕事に就くとしても、これからは基本的に「建築士」という資格は欠かせないものになると思います。この資格がなくても建築の世界に携わるチャンスはいくらでもありますが、建築をもの作りとして考えるなら、建築士の資格は必須でしょう。
数年前にマンションの耐震性の偽造が大きな問題になったこともあって、今、建築士を巡る環境は大きく変化を始めています。専門的な話は避けますが、簡単に言うと今まで以上に計算する能力が求められるようになっています。従来の建築士の方でも、新しい法律が施行されると家の設計ができなくなる可能性があるぐらい、いろいろな能力が建築士に求められるようになります。
もちろん、実際の計算の多くはコンピューターがこなしてくれるのですが、コンピューターにどんな計算をさせるか、計算の結果出てくる数値にどんな意味があるのかを判断するのは、やはり建築士です。ということで、建築士のお仕事に数学は欠かせません。それも、大学で学ぶかなり専門的な知識が必要です。高校でもベクトル演算・三角関数・行列といった事柄を学ぶと思いますが、それを土台にした数学テクニックを実際の設計では用います。構造力学・材料工学・土木工学といった学問が建築の世界の基本的な知識になりますが、これらの理解に数学は欠かせません。
あなたがもの作りとして建築の世界に入りたいのなら、数学は一生のパートナーです。あと1年好きになる努力を続けるもよし、とてもじゃないが無理と諦めるもよし。あなたの人生を大きく左右することですから、よく考えて、自分が納得できる将来の姿を見つけてください。
なお、最初に述べた通り、建築士の資格がなくても建築の世界で働くことは十分に可能です。どういう仕事があるのか自分で調べてみて、それがあなたの喜びとマッチするか考えてみることもいいでしょう。