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回答・コメントする(No.5154)
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疑問
[Q] こんにちは、ぼくはエアラインパイロットを目指している中学二年です最近不安に思うのが燃料の値段です。なぜかというと、今の日本では、灯油がないという危機に陥っています。 このことから僕が頑張ってエアラインパイロットになったとしても燃料がないんじゃ仕事になりません。あと20年くらいしても灯油はなくなりませんか?なんかくだらない質問ですが、教えてください。お願いしまーす

こんにちは。事実関係について少し補足しておきます。
石油(原油)などの地下資源があと何年で掘り尽くされてしまうか、ということを示すのに、「可採掘年数」といった値がよく使われます。原油に関してはここ20年あまり、「あと40年」前後の値がずっと続いていると記憶しています。ちなみに、航空機の燃料は、原油から精製される「ジェット燃料」という油の一種(灯油とはかなり近い間柄)です。
この「あと40年」の値がさほど変わらない理由は、省エネ技術の進歩…だったらかっこいいのです(確かにそれなりの役目は果たしました)が、実際のところは
(1)原油を掘る技術が進歩している
(2)その結果、毎年新しい油田が見つかっている
(3)世界での原油の消費量が増えて、原油の価格が上昇した
の3点が主な要因です。(1)(2)はともかく、(3)はちょっとピンと来ないかもしれません。
たとえば、新しい油田が見つかり、そこから原油を採掘するのに(例えば)1リットルあたり50円かかることが予想されたとします。ここで、もし原油が1リットルあたり30円でしか売れないとしたら、その油田を実際に採掘する人はいるでしょうか? 逆に、100円で売れるなら、採掘すればたくさんの利益を手にすることができるかもしれません。
インターネットなどを調べると、ここ30年以上の原油価格がどうなっているか知ることができます。簡単に言うとずいぶん高くなったのですが、その結果、今まで開発されなかった油田の開発が始まったり、新たな油田を探そうとする動きが活発になったりしました。こうして、可採掘年数が一定の値を保たれてきました。
ちょうど今(2008年末)は、世界的な不況の影響などで原油価格は大きく下がりました。このため、新しい油田の開発は一時的にせよほぼ完全にストップしています。だけど、中期的に見て世界の原油の使用量は今後とも増加する(今のところは技術革新より消費拡大の方がはるかにスピードが速い)ため、原油価格はやがて再び上昇すると予想されています。このため、新たな油田の開発は今後とも続きますし、世界大戦でも起きない限りは、あなたがパイロットになる頃にも必要な原油は確保できるでしょう。ただ、その時の価格がどうなっているかは誰にも分かりません。
航空機は、全ての輸送手段の中でエネルギー効率が悪いものの一つで、極端に言えばもっとも地球環境に優しくない乗り物です。でも、私達の暮らしに、航空機は欠かせない乗り物であり、今後ますます活躍の場が広がるはずです。パイロットには、安全運行に加えて省エネルギー飛行という技量が重要視されることになりそうです。

中2さん、こんにちは。
お仕事だけでなく、お仕事に関連したものまで考えが届くなんて
すばらしいことですね。
私がずっと小さかった頃(あまり詳しく言うと年齢がばれてしまう
ので伏せますが(笑))、世界からはあと30年ぐらいで石油が
なくなってしまうと言われてました。幼い心にも見えない不安が
あったのを覚えています。それが実際に30年以上が過ぎても、
石油は残っています。
それはなぜか?
新しい油田の発見などもありましたが、1970年代に起きた
オイルショック(石油の値段高騰)によって、世界中が大混乱し、
その中で石油に頼りすぎた生活を考え直そうと、省エネルギー
で動く車を開発したり、あるいは原子力発電による電力の
供給をするなど、大きな技術革新があったからです。
技術は日々進むもの。中2さんがパイロットになる頃には、
さらに低燃費の飛行機が開発され、もしかしたら太陽光発電で
一部を動かす飛行機なんてのも出てくるのかもしれませんね。
気楽な考えかもしれませんが、中2さんは技術の進歩を信じて、
自分の夢に向かって努力を続けてくださいね。