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回答・コメントする(No.5503)
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音響エンジニアについて
[Q] 私はアニメが好きで、アフレコ現場にかかわる仕事がしたいと強く思っています。
そこで「音響エンジニア」という仕事に興味を持ちました。
調べてみたのですが、どうもコンサート会場や舞台の話しばかり目にします。
・アニメのアフレコにかかわる!音響エンジニアという仕事は具体的にどんな事をするのですか?
それとも音響エンジニアという仕事はアフレコとは関係ないのですか?
教えてください。
数々のご丁寧な回答ありがとうございました!
とても勉強になりました。
みなさんの回答を胸に、じっくり将来について考えてみたいとおもいます。

こんにちは。「音響エンジニア」という職業がいったい何かというのは、実はけっこう難しいのです。音の調整に関わる仕事全てをひとくくりに音響エンジニアと呼ぶこともあります。ただ、その仕事の中身はずいぶん違います。もっとも、通常音響エンジニアと言えば、コンサート/舞台系で音響に携わる人を指すことが多いようです。
極めておおざっぱに言って、コンサートや演劇の音響エンジニアは、「その瞬間に鳴っている音=ライブの音」が、会場でどのように響くのかを調整する仕事です。例えばロックコンサートの場合、PAと呼ばれる大きなスピーカーをいくつも会場に並べますが、その配置一つで音楽の鳴り方が全然違ってしまいます。専門的に勉強しようとすると、音響工学という分野になりますが、これは工学の中でももっとも難しい学問の一つです。
同じように考えると、アニメ(ゲーム)の声を担当する音響エンジニアは、「スタジオ内で今話している声をどのように録音するか」ということを調整するのが、主な仕事になります…このため、よく「録音エンジニア」「スタジオエンジニア」と呼ばれています。アニメの場合、エンディングのスタッフで「録音」という役目が、概ねこれに当たります。また、「録音した声をどのように出力するか」というのも仕事になります…「整音」「音声編集」などなど、仕事の名前はたくさんあります。あと、効果音(風が吹く音、お皿が割れる音…)を用意して、音声に重ねる仕事もあります(「音声効果」)。こうした音に関わる仕事の責任者として、「音響監督」という役目がよく登場します。それぞれの仕事内容については、ゲームを例に他の方がコメントされているので、説明は省きます。
こうしてみると、アニメ系とコンサート/舞台系では、同じ音響エンジニアと言っても、全然違う仕事内容だということがわかると思います。当然、勉強する内容も大きく違います。ただ、どちらにしても、音に対する敏感な感覚と、電子機器の操作技術に長けていることが求められます。あと、体力勝負です。
若い皆さんには人気が高い職業ですが、勤め先は極めて限られていますので、もしこの道を進みたいのなら、特に理数系の教科をよく勉強してください。

こんにちは、あんなさん。
私はゲームを作る仕事をしているのですが、
ゲームの中には声優さんに声をあててもらうゲームもあります。
レコーディングに立ち会った経験がありますので、そのときの経験から回答しますね。
なお、ゲームとアニメではちょっと違う部分があります(あとで説明します)。
ですので、アニメでは違うところがあるかもしれません。
(ただし、お世話になった音響会社さんは、アニメの仕事もやっている会社です)
「音響エンジニア」と言うかどうかわかりませんが、「ミキサー」とか「録音」とか
「音響」と呼ばれているスタッフが、アフレコ現場にいます。
ミキサーさんは、でっかい機械の前に座って、その機械を始終いじくっています。
ミキサーさんのスタジオでの仕事は、おおざっぱに言えば「声を録音すること」です。
機械をいじくっているのは、主に、音量を調整するためです。
あまり音量に、大きい小さいの差がありすぎると、セリフとして聞き取りにくいので、
リアルタイムで音量を調節しているようです。
「音量なんて、あとでいくらでも調整できるじゃん」と素人の私は思ってしまったのですが、
その場で調整したほうがあとの作業が楽ですし、あとで音量だけ大きくすると、
音が割れてしまったりと技術的な問題がおこるそうです。
実際、いくつかのセリフについて、後で音量を上げてもらったのですが、
なかなか面倒な作業だったようです。
あとは、うまく音が録れているかどうかのチェックです。
収録の際に、ノイズが入ったり、台本をめくる音が入ったりするのですが、
それをしっかり聞いて、ノイズが入ってると録音のやりなおしを指示します。
素人の私ではわからないような音も、ミキサーさんにはちゃんと聞こえているようですね。
また、ゲームですと、セリフとセリフの間にボタンを押さないといけない場合、
前のセリフと後ろのセリフで、ファイルをわけなければいけません。
セリフがつながってしまうと、うまく切り分けができませんから、
セリフがつながってないかどうか、チェックをしていました。
なお、ミキサーさんが、収録中、声優さんと直接話をすることはほとんどありませんでした。
収録前に、マイクの調整を行っているときに話をしていたくらいです。
収録中、声優さんと直接やりとりをしていたのはレコーディングディレクターさんです。
アニメだと「音響監督」とか呼ばれる人ですね(演出の人がやる会社もあるみたいですが)。
「このセリフはこんな感じで」とか、「別のパターンもとってみましょう」とか
声の演技指導のようなことをやるのは、音響監督さんとか、ディレクターさんです。
私はゲームの監督をやっていたので、演技のニュアンスなどが違うときには、
演技の注文をしたのですが、それも私から声優さんに直接注文するのではなく、
ディレクターさんを通して、注文をしてもらいました。
素人の私が注文するよりも、とても的確な言葉で演技指導をされていたので、
やはりプロにまかせるもんだなぁ、と思ったものです。
閑話休題。ミキサーさんの話にもどります。
ミキサーさんの仕事は、録音したらおわりではありません。
まず、声にエフェクトをかける作業があります。
たとえば、お風呂場のシーンでは声が響くのですが、声が響くように加工をします。
あと、これはゲームならではだと思うのですが、
ゲームではセリフの音声は、ずっと流れっぱなしではなく、
コントローラーのボタンを押さないと先に進まないようになっています。
ですので、音声も1メッセージごと1メッセージごとのファイルにします。
これが実はたいへんな作業らしいです。
1つのゲームでは、音声ファイルの数は数千になります。
音声を分割し、それぞれにファイル名をつけて保存するのはたいへんでしょうね。
最初に書いたとおり、ゲームとアニメでは違うところがあります。
1つ大きな違いは、アニメでは基本的に声優さん全員があつまって収録しますが、
ゲームでは声優さんごとに別々に収録することが多いです。
声優さん1人ですと、マイクは1本だけでいいのですが、
大勢の声優さんをいっぺんに収録するときには、2,3本のマイクを、
みんなでかわりばんこに使うことになります。
声優さんによって声の大きさや質がことなるので、ミキサーさんの調整もたいへんになります。
現場の様子をイメージできるものとしておすすめするのは、
ダイワハウスのCM「ダイワハウスが言えない男篇」です。
http://www.daiwahouse.co.jp/ad/cm/mansion.html
このCMはアニメではなくナレーションの収録になっていますが、
雰囲気はまあこんなかんじです(こんなにペコペコはしませんけどね)。
青い服を着てストップウォッチを首からぶらさげている人が音響監督、
その横で機械の前にいるメガネでヒゲの人がミキサーさんです。

アフレコだとスタジオでの仕事ですから、
村上龍さんの仕事紹介だと
レコーディングエンジニアが近いと思います(^^)
http://www.13hw.com/job/02_01_25.html
あとは、サウンドマンや音響効果も参考に。
http://www.13hw.com/job/02_05_12.html
http://www.13hw.com/job/02_05_16.html
左上にある『職業を調べる』から、
いろいろ探してみてください♪
そっちの業界は詳しくないんで、
これだけの回答です(^^ヾ