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回答・コメントする(No.7459)

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もっと教えて!フォーラム 質問 映画、できれば漫画アニメ関係の翻訳家になるにはどうしたらいいんですか?

[Q] 私は昔から映画や本などが好きで、特にアニメや漫画はどんなものよりも大好きで、最近は観賞するだけではなくて、それに関する仕事を将来してみたいと思うようになりました。

つい最近、雑誌で漫画の翻訳をする仕事が紹介されていました。
私は国語が好きだったり、最近外国語に興味が出てきたりしてその仕事に興味があるのですが、どんな資格や知識、大学に行って、どうやったらこの仕事に就けるのか、大まかなところからよく分かりません。
この仕事に関して、分かる方がいたら
回答お願いします。

目指しているものは翻訳家ですが、
漫画アニメ関係の仕事をしている方に
漫画アニメ関係の仕事を紹介してもらえると幸いです。


よく分からない部分や質問などがありましたら
遠慮無く書き込んでください。

[A.2]

回答ありがとうございました。
私は海外に行ったことは数回しかありませんが、これからはホームステイなどをして、外国の人たちと関わっていきたいとい思っています。

詳しい説明ありがとうございました。
これからは、回答を参考にして頑張っていきたいと思います。


[A.1]

こんにちは。門外漢の立場から、全体的な姿を説明します。一般的な意味での翻訳者のお仕事については、このコメントでは触れませんので、あしからず。

あなたは海外旅行の経験がありますか? もし、海外に行く機会があれば、その街の本屋さんに立ち寄ってみてください。私が一度だけプライベートで旅したウィーンの本屋には、日本の翻訳コミック--「アトム」「ドラゴンボール」「AKIRA」「フルーツバスケット」といったあたりが、当時の定番でした--はもちろん、現地編集された日本アニメ専門誌(なぜかフランス語)が置いてあったのですが、その内容は日本の雑誌なんか足下にも及ばないすばらしさで、これがヨーロッパの文化の奥深さか、と仰天しました。作品を変に絶賛しないから、かえって作品の善し悪しが分かるのです。ちなみに、コミックの翻訳者は、ほぼ全て外国人でした。今はどうなんでしょう?

特にヨーロッパでは日本の漫画・アニメは一定の認知があり、小規模ですが市場が存在しています。あなたが思っている以上に、ファンの方々の作品への理解度は高いものがあります。
一方で、こうした作品の大半は「日本国内でのみ消費される(読む・観る)」ことを前提にして製作されています。言い換えると、外国の方には理解不能な表現が乱用されています。他の文芸作品でも似たようなものですが、漫画やアニメは最初から対象者を限定している(漫画やアニメの「語法」を好む人だけが相手)ため、普通の小説に比べるとはるかに敷居が高いのです。
それをどのように外国の人に分かるようにするのか。また、(漫画の場合)原作者独特の台詞回しや効果音を、現地の言葉でどこまで表現するのか。漫画やアニメという特殊な世界観の中で成立している作品を翻訳するのは、かなり難しい作業です。
そんなこんなで、あなたが希望するお仕事は、出版産業の中ではかなりマイナーな部類に入ります。日本は国を挙げて漫画やアニメの「国際化」を進めようとやっきになっていますが、それを支える人材が少ない上に、肝心の商品(漫画やアニメ)の特殊性・排他性が、実は国際化にそぐわないという一面もあって、なかなか上手くいっていない、というのが現状です。

単に語学を学ぶだけでは、あなたの希望する分野でいい仕事をするのは難しいと思います。一方で、日本の大学で、漫画やアニメに関する比較文化論(ある文化活動が、地域によってどのように理解されているか)をきちんと学べるところは、ほとんどありません。この分野ではフランスをはじめとする欧米諸国の方が、実は研究が盛んです。
今、こうした分野について研究しようという機運が日本でも少しずつ出てきています。あなたが大学を選択する頃には、もう少し状況が良くなっているはずなので、その時にもう一度調べてみてください。こうした分野の勉強と優れた語学力が、ちょっと特殊な翻訳作業には欠かせないはずです。
あと、外国のアニメファンやマニアの方と話をする機会ができるよう、心がけてください。もちろんそのためには相応の語学力が欠かせませんが、中学卒業程度の英語力があれば、インターネット上ならかなりの会話が可能です。外国の人が日本のこうした文化をどのように感じ取っているかを知ることは、あなたの希望する職業にとって、欠かせない情報になるでしょう。