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回答・コメントする(No.7585)
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建築士 デザイン
[Q] 一級建築士になったら
デザインの仕事もできるのでしょうか??
あと、大工さんを相手にすると聞いたのですが
女性の一級建築士は少ないのですか??

建築士というものが
だんだん分かってきました
はんがんさん
ありがとうございました!

こんにちは。私個人はあまりテレビを見ないのですが、あなたが例としてあげた番組は、それなりに人気があると聞いていますし、私も何回か見たことはあります。
ぜひ理解していただきたいのは、その番組は基本的には「バラエティ/エンタテインメント」だということです。要するに、テレビ番組として視聴率が稼げるような「面白い」物件を選んで、カッコ良く仕上げているのです。もちろん、設計者の意図する範囲で(それがいいか悪いかは別にして)正しい設計と施工はされていますし、私達が見て感心させられる工夫も多々あるので、見て損はないと思います。でも、あれが住宅リフォームの名人芸だと考えるのは、かなり危険です。
住宅リフォームという注文があった場合、基本的には意匠設計の仕事になります。ただし、地震に強くしたいとか、部屋の間取りそのものを変更したい、という要望が出る場合は、構造設計の出番になります。もっとも、住宅リフォーム程度であれば、一人の建築士が意匠と設計を両方行うのが普通です。というか、意匠は私・構造は別の人、なんていう建築士(実は意外と多い)には、どんな小さな仕事でも任せたくないなぁ、というのが、ちょっとだけこの業界に首を突っ込んだ者としての、率直な感想です。
なお、建築士の多くは大学まで学んでいます。基本的には建築学科(他の名称もあります)で専門教育を受けますが、デザイン系の学部にある建築系の講座から設計士を目指す人もいます。ただ、どのようなルートから建築士を目指すにせよ、物理(力学)と数学の能力は欠かせませんので、よく勉強してください。

知識が浅いもので「意匠」という言葉は始めてききました
どちらかというと意匠の方を希望していますね
そこで質問なんですが・・・
たとえば「ビフォーアフター」に出ていらっしゃる方々は
一級建築士と紹介されていますが
内装(細部)も手がけている様に見えました
あれは「意匠」と「構造」の二つをされているのですか?
あと、その二つを手がける様になるには
大学は建築科に進めばいいのでしょうか??
トイレは改善されているといいですね!!
どうしても嫌な方はコンビニまで行っているのでしょうかね。

こんにちは。あなたは建物のどういう部分をデザインしたいと考えているのかな? 質問文を読むかぎりではよくわからなかったので、「建物の姿をデザインしたい」という前提で、現実をかなり単純化して説明します。
今、建物そのものの姿と言いましたが、これが実は結構ややこしい。文字通りの外見(シルエットと言っていいでしょう)もそうだし、屋根や壁の色もそうです。また、建物の中のレイアウト(どこにどんな部屋を作って…)をある程度決めないと、建物の基本的な形を決めることができません。他の方の回答にもある通り、建築物のデザインは、いろんな要素が組み合わさって決まります。
すごく大ざっぱな言い方になりますが、設計には「意匠」と「構造」の2つの要素があります。見た目や部屋の配置などを考えるのがが意匠で、建物としての骨格を決めるのが構造と考えてもらえれば、中学生のあなたには十分です。あなたの希望は、どちらかと言えば意匠の方でしょう。
設計士の資格に意匠と構造という分類はなかったと思いますが、「私は意匠設計の方が得意」という方は大勢おられます。ただ、日本の建築では意匠を重視する一方で、構造がおざなりになっている建築物が多く、結構深刻な問題になっているという点は、あなたが建築の世界を目指すなら、覚えておいて悪くないでしょう。つまり、建物のデザインをやりたいと言っても、その基本となる物理的・工学的な知識をしっかり身につけないと、いい仕事はできないということです。
あなたがどんなにかっこいい建物の図面を引いたとしても、実際にそれを作る人が「こんなの作れない」と言えば、その設計図はボツになってしまいます。言い換えると、どんな設計ならその建物が作れるのか、実際の工事現場を知らないといけません。また、お客様との契約によっては、設計者がその工事現場に行って、工事が設計通り行われているかチェックする必要もあります。
といったことで、建築家は必ず工事現場に顔を出します。もちろん、大工さんやその他の職人さんといっしょに仕事をする機会が、ごく普通にあります。たいていの職人さんはいい人(ただし怒らせると怖い)ですから、お互いプロとして接すれば、本当によくしてくれますよ。
下世話な話で恐縮ですが、女性の場合(男性でも)、どうしても現場でのトイレの問題がつきまとうため、これで敬遠する人がいることは事実です。これはちゃんと伝えないといけない。ただ、最近は(まだ数は少ないですが)女性の職人もだんだん増えていますし、建築士にも女性の方は結構多いので、あなたが実際に就職する頃には、今より遥かにいい状態になっていると思います。

デザインは見た目をかっこよくするだけではないんですね・・・!
奥が深いということが分かりました
machoさんご回答ありがとうございました!!

「建築士」という資格については、すぐに調べられますし、図書館や書店、
インターネットでも検索できますから、そちらに任せます。
工業デザインを学んでいた私から「デザイン」というコトについて少しお話しします。
「建物を設計する行為は、まさにデザインです」
なんて言うとわかりにくいですね。
見た目のすがたかたちをかっこよく整えるのがデザインというわけではなく、
例えば、その建物の使用方法、使用目的、建つ場所、建て方、その他いろいろ…
すべてのことをひっくるめて考え、計画する行為がデザインです。
…やっぱり難しいですね。
設計士だけでは建物は完成しませんから、当然、作る方々(まさに大工さん)
ともお話をする必要があるでしょう。
女性の設計士さんもいらっしゃいますよ。勉強している方も多いと思います。