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もっと教えて!フォーラム
回答・コメントする(No.7921)

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もっと教えて!フォーラム 質問 音楽と勉強

2009/11/21 19:10  rinaさん[中学生・女]

[Q] 私は今中学三年です。受験生です。

私の住んでいる地域ではトップの、進学高の特進クラスに受験する予定です。でも、行きたい大学が、2種類あります。
音大と難関大です。今は音大に行きたいというのが少し大きいです。

今はどちらかに決められないので、進学高に行きながら、難関大と、音大の勉強を両方しよう!と思っています。もちろん、音大の勉強は独学に近いことになります。すごく大変なことだというのも分かっています。それでもがんばれる!と思っています。

結局は、どちらの大学に行くか決めなければいけないので、どちらかの勉強が無駄になることになります。でも私はそれを損だとは思いません。それくらいの覚悟はあります。

そこで、
今、受験期で勉強勉強!となっているところですが、
勉強していて、ふと(自分は音大に行くなんて言ってるのに、なんでこんなに勉強してるんだ?)と思ってきます。
自分の矛盾に、イライラしてきます。本当、自分って欲張りすぎだな…と思うし、決められない自分にもイライラします。

それに、本当に、勉強をしながら、音楽のこともできるのかな?と不安になってきます。
難関大はあきらめて、音楽科のある学校に受験しようかな?とも思っています。私にとってそれはとても勇気のいることだし、常識を破るような選択です。勉強はできるほうなので、進学高に行くのが普通みたいな感じなので。とにかく、勇気のいることなんです。

それに、あまりこのことについて家族に話せていません。あまりオープンな家族じゃないので。これを親が理解してくれるのかな?という不安もあります。
音楽科だったら、学校で音楽のことを勉強できるし、音楽一本でやれます。でも、せっかく勉強ができるのに…という思いもあって。

正直なところ、私は難関大よりも音大に行きたいんだと思います。でもそう言い切れない部分もあります。

本当、自分にイライラするし、自分の気持ちがごちゃごちゃになって、もう、意味分かりません。

ごちゃごちゃをほどきながら、がんばって、この質問を書きました。あまりうまく書けないし、ちゃんと自分の気持ちが伝わっていないかもしれませんが、どんな意見でも聞きたいです。お願いします。

ちなみに、ピアノ小1~で、9年やってます。

[A.4]

こんにちは。
rinaさんほどではありませんが、私も中3のとき、高校進学で悩みました。音楽科のある高校へいくか、普通科へ進んで進学を考えるか。

結果的に高校は普通科へ進み、大学受験の際音大への進学を決めました。中3時点ではどちらか絞りきれず迷いがあったからです。高校3年間音楽にどっぷり浸かっていたらもうちょっと実技面で苦労しなかったかな、と思うことは今でもありますよ。でも、高校の時点で音楽科へ進んでいたら、大学で新鮮な気持ちで学べなかったのかもしれないなとも思います。

あなたと同じくらいの子どもを持つおばさんの私でも、今でもこうやって思い返すことがありますから、何がベストなのかは分かりません。

ただ、中学生って、私の娘を見ていても、自分のことを振り返っても、本当に見ている世界が狭いな、と、感じます。ですので、多くの経験をして、多くの勉強をして、自分の糧にしてほしいという気持ちで、私はあえて難関高を勧めたいなと思います。
勿論、周りの友達が大学進学を目指す中でみんなが目指さない道を目指すのは厳しいことです(私も経験済みです)が、その厳しさを乗り越えてこその夢なのではないですか?

前にコメントしてくださったお二人がとてもよいことを書いてくださっていると思いますが、今のこの年代でしっかり勉強をしておくこと、それも学校の勉強をするということは、意義がありますよ。


2009/11/23 12:29  ムーチョさん[塾講師]
[A.3]

はんがんさんのレベルの高いアドバイスは私とのレベルの違いを痛感させられます。すごいですね。こんなレベルのアドバイスを受けられるなんて
今の子供達は恵まれていると思います。

>音楽を表現するというために、知識、あるいは教養などと呼ばれるものは、絶対に欠かせないからです。

というくだりには、うなずきすぎて首がはずれそうでした。
進路に幅が広がると言う切り口でしか話が用意できないくらいの知識や教養しか僕には無いなぁ、と反省しきりです。

これを気に、偉そうにアドバイスするのをやめて(笑)
もう一度自分のレベルアップを先ず目指そうと決めました。
ありがとうございました。


[A.2]

こんにちは。今日私は「ヴォツェック(カタカナで入力するだけで疲れますね)」というオペラを観に行ったのですが、これがとんでもなく難しい。ほとんど調性がない音楽で、歌詞は全てドイツ語。舞台上では学校の教室より大きな巨大な箱が文字通り宙を舞うし(これは見もの)、その下には本物の水が張ってあって、そこで19世紀終わりと思われる時代の場末のサロンが再現されたりします。
もっと驚いたのが、この超難曲のキャストとスタッフの多くが日本人だったこと。もちろん、日本人のオペラ歌手なんていくらでもいるのですが、さすがにこの曲を演じられる人となると、数が限られてきます。超絶技巧の歌唱はもちろん、下品なスラングから心理学の専門用語までのドイツ語を完璧におさらいしないといけません。そして、場末のサロンって一体どんなところか、文化としてちゃんと理解しないといけません。指揮者と演出者はドイツ人なので、場合によっては、ドイツ語でケンカをする必要があったでしょう。
そしてもっともっと驚いたのは、今日このオペラを指揮するはずだった人は、先日惜しくも亡くなった若杉弘さんだということ。私が今日の公演を観終わって最初に感じたのは、「若杉さんはこのオペラをヨーロッパでいったい何回指揮していたんだろう!(さっき調べたら、どうやら10回ではきかないらしい)」でした。すごいなんて言葉が薄っぺらく思えてしまう。いったいどれだけの勉強をこの方は積み重ねてこられたのでしょう。

なんでこんな個人的な話を延々としたかというと、あなたが音楽の道を歩みたいと思うなら、普段の勉強こそしっかりしないといけないよ、ということを申し上げたかったからです。それは進路に幅が生まれるとかいう次元ではなく、音楽を表現するというために、知識、あるいは教養などと呼ばれるものは、絶対に欠かせないからです。
当たり前ながら、音楽とは文化の一形態です。それを理解するには、あなたが持つ全ての感覚と全ての知識が必要です。それが豊かであればあるほど、あなたには音楽を理解し、表現するチャンスが増えるでしょう。歌手でなくても、語学は絶対に欠かせないし、地理や歴史、また文学といった分野も大切です。さすがに原子力物理学を勉強せよとは言いませんが、理系の知識を持つ音楽家は、けっこう多いのです(もともと音楽は数学の一分野でした)。
ただ、こうした事柄と、あなたにプロの音楽家としてふさわしい才能があるかどうかは、ほとんど全く関係がありません。そういう事情があって、「音楽大学」という専門教育機関があります。才能を伸ばすための練習は、また別にちゃんと努力する必要があるでしょう。
確かにあなたはどこかで、普通の勉強と才能を伸ばす練習のどちらかを選ぶ必要に迫られるはずです。ただ、ピアノの先生が「今」それを強く迫らないのであれば、あなたはまずは普通の受験生として、目の前の課題に取り組んだ方が、いいことが多いように感じられます。


2009/11/23 02:26  ムーチョさん[塾講師]
[A.1]

はじめまして。

音大か、難関大学かで迷っている、というお話ですね。
うらやましい悩みですね(笑)

とりあえず、
今の「進学校に進む」という選択は
間違っていないと思います。

ただし、
「勉強が無駄になる」

「私は音大に進もうとしているのに、
 何故勉強しているんだ???」

という考え方には賛同しかねます。

「無駄になることも覚悟しています」

って、何故無駄になるということが前提に
なっているんでしょうね???
はっきりといいますが、無駄になんかなりませんよ。

それに、今の世の中、
勉強をきちんとしていない人が、
音楽で大成できるとも思えません。

さて、何からお話しようかな・・・。

まずは私の経験からお話させてもらいます。

私もエレクトーンをしていました。
こういってはなんですが、
地元ではトップクラスのレベルでした。
ですから、音大や、専門学校などへの進学も
視野に入れていました。

さて、
エレクトーンの大会で、
地元トップクラスのレベルだった私のライバルや先輩方の
高校の進学先はどこだったと言えば、
当然のごとく進学校でした。

実に10割。

そこから音大か、
専門学校に行くか、
普通の大学に進学するか、
を決めていましたね。

進学校に行った方が、、
圧倒的に選択肢が広がるからです。

進学校に行けば
勉強ばかりさせられると嫌がる人がいますが、
そんなに勉強ばっかりしている人はいませんよ。
頭のいい人であればあるほど、所謂「がり勉」では無いですね。

そして、頭のいい人間と一緒に勉強できるだけで、
人生に良い影響があります。

詳しい理由はここでは書ききれませんが、
僕は高二、高三と同じクラスだった
学年1位の友だちがいなかったら今の自分はいない、
とすら思えるほど感謝しています。

進学校に進学すると選択肢が広がるというのは、
単に自分自身のレベルが上がるから選択肢が広がる、
と、思っているのであれば視野が狭いです。

進学校に進学してくる人間は
自分の真面目に考えている人間が多いと思います。
そういう人達と沢山触れ合うことによって、
自分にもいい影響が出てきます。

今は一生懸命勉強してください。

絶対に役立ちますから。

どういった場面で役立つかは言いません。

いや、「分かりません」という方が正確でしょうか。
役立つと感じる場面は人それぞれですから。

でも必ず役に立ちます。それだけは保障します。



さて、「音大に行くなら勉強は無駄」
というお話についてですが・・・。

勉強は、たとえどんな勉強でも、
役に立たないように見えて、
役に立つように出来ています。

確かに、
学校で習う勉強そのものの内容は
恐らくあと15年以内に忘れてしまうでしょう。

でも、勉強した記憶、
努力した記憶は絶対に残ります。
そして勉強のやり方、学び方の手法は
すべて仕事で生かすことが出来ます。
すべての勉強が「生きていくために必要なこと」を
教えてくれます。

嫌なことから逃げず、
努力することから逃げず、
頑張り続けること。
忍耐力と精神力を鍛えるのに、
勉強はうってつけです。

それに、勉強はやったらやった分だけ、
点数や偏差値につながります。
勉強以上に平等で裏切らないものは、
実は世の中には無いと思いますよ。

だから自分を鍛えるのには
勉強はもってこいなんですよね。

どんな道に進むにしても勉強は必要です。

ですからとりあえず、
今の勉強をしっかり頑張ること。
これに尽きます。

はっきり言いますが、
今の勉強を真剣に取り組まなければ、
音大も難関大もありえません。

とりあえず、
音大か難関大かは横においておいて、
今目の前の入試に全力投球してみてください。
それが一番の近道である可能性が高いです。