HOME > もっと教えて!フォーラム > 生命を扱う「医療・福祉」の仕事 > 回答・コメントする(No.8285)
もっと教えて!フォーラム
回答・コメントする(No.8285)
-
いつも、子どもたちの疑問にお答えいただき誠にありがとうございます。
13hw編集部より、ご回答くださる際のポリシーに関するお願いです。
-
回答は、基本的には、その職業の方(または経験者、相応の知識を有する方など)にお願いしております。
しかしながら、なかなか回答のつかない質問もあります。
投稿されてから2週間経っても回答がつかない質問に関しましては、職業などに関係なく、ご回答のご協力をお願いしたいと考えております。 -
白書の皆様におかれましては、貴重な時間を割き、子どもたちの質問に丁寧にお答えくださったり、叱咤激励してくださって誠に感謝しております。
このようなお願いをするのは大変恐縮なのですが、勇気を出してこのサイトに質問を投稿してくれた子ども達に、よりよい情報を提供したいと考える当サイトの運営ポリシーをご理解・ご了承いただけますと幸いです。
医療機器の開発業について…
[Q] 質問をご観覧いただきありがとうございます。
ぁこと申します。
今回、私は現在高校1年生で科目選択が迫っており、
自分の将来について考えることが増えてきました。
自分は将来、ものづくりをする職業に着きたいという願望があり、
そういった広い分野の業種の中で
自分の意見をダイレクトに製品にとり入れることができ、
またよりよくすることで人の役に立つことのできる
高齢者社会を迎える未来の日本になくてはならない
この医療機器の開発業に興味をもち、詳しく知りたいと思い、
質問させていただきました。
───────────────────────────────────────────────────
私が主に質問させていただきたいのは、
┏
┃・開発業とはどういったものなのか。
┃(無知ですみません・・・)
┃
┃・どこまでが開発の範囲なのか
┃(注射針の設計からその製品を一から開発者がつくるのか)
┃
┃・どのような進路に進んでおくと就けるのか
┃(高校の風潮なのか、医学系の入試科目に不利な科目選択と
┃ なっているので不安です…)
┃・就くメーカーによって開発するものは変わるのか
┃(私は痛くない注射針などの開発に携わりたいと思っています)
┗
などです。
───────────────────────────────────────────────────
自分のまわりにこういった医療関係の仕事をしている方が居らず、
自分の進路に不安を感じてしまい、
インターネットで調べてやっとこのサイトにたどり着きました。
人生の先輩方に是非お聞きしたいです。
回答、宜しく御願い致します。
至らない長文をお読みいただき、ありがとうございました。

ぁこ:)★さん、こんにちは。
機械メーカー勤務のすーと申します。
よろしくお願いします。
医療関係ではありませんが、メーカー勤務の人間として、情報提供させていただきます。
>・開発業とはどういったものなのか。
>(無知ですみません・・・)
>・どこまでが開発の範囲なのか
>(注射針の設計からその製品を一から開発者がつくるのか)
開発の流れをざっくり説明しますと、
1.コンセプトを決める
ユーザーのどのような要望に応えるか、そのために何を作るかを決めます。
これを行わないと、売れない製品、使えない技術を抱え込むダメ企業になります。
ぁこ:)★さんの場合ですと、
"患者さんの痛みを和らげたい"、"そのために痛くない注射針をつくりたい"
というコンセプトがあるので、完璧です。素晴らしい!
簡単なことに感じるかもしれませんが、実際の開発現場では、思いつきで開発テーマを決めたもののコンセプトがない場合が多々あります。
開発業に就きたいのであれば、最初にコンセプトを決めることを忘れないでください。
2.構想を練る
どうやってコンセプトを実現できるかを考えます。
アイデアをできるだけ多く出し、それらを比較したり組み合わせたりして、どのようなものを作るかを決めます。
その際、作りたいものの絵を描いたり模型を作ったりして、それらを開発者同士や、可能であれば、協力してくれるユーザーに説明をします。
そこで、その構想について意見をもらい検討事項をリストアップします。
開発は大抵、専門分野・担当の違う複数の技術者のチームで行います。
構想の発表を行わないと、後から他の担当者に、「そんな話は聞いていない」「とても実現できない」といったことを言われます。
より良いアイデアを提案してもらえる機会も逃します。
最終的に出来上がった製品にも、多くの問題が残ります。
ということで、伝える力や協力していく姿勢も、開発には必要です。
ぁこ:)★さんの質問文は、読む人が読みやすいような工夫が見られます。
相手の立場に立って伝える工夫を忘れないでください。
3.検討する
構想段階で挙がった検討事項を具体的に検討します。
例えば、どのくらいまで注射針を細くできるか?、注射針の穴の直径は最低でどのくらいか、といったことを調べたり議論します。設計に必要な数字はこの段階で決まります。
4.図面を描く
大抵の場合、製品を作るのは開発者と別の人になります。
製作を他の業者に任せることもあります。
そこで、造っていほしいものを伝えるために、検討段階で決めた数値をもちいて、図面を描きます。
5.試作品のテスト
図面を描いて製造を依頼すれば、めでたく試作品が完成します。
この試作品が、コンセプト通りのものであれば、めでたく製品化です。
問題があれば、その解決のために、検討段階に戻ります。
以上が、開発の流れです。
>・どのような進路に進んでおくと就けるのか
>(高校の風潮なのか、医学系の入試科目に不利な科目選択と
> なっているので不安です…)
就職についての有利不利で言うと、「医療機器の開発がしたい」という願望と結びついている方が有利でしょう。
「医療機器の開発がしたいので、~を勉強しました」と言って、誰でも納得する学部なら、就職の面接の際やりやすいです。
とは言え、どんな学部でも、動機とやりたいことを伝え、認められれば、医療機器メーカーに就職できます。ちょっと苦労が伴うかもしれませんが。
なので、質問に対する答えは「どんな進路でも良い」ということになります。
>・就くメーカーによって開発するものは変わるのか
>(私は痛くない注射針などの開発に携わりたいと思っています)
もちろん、メーカーによって扱っている製品が違うので、開発する製品も違います。
そして、開発の仕方も違います。
ひどいところだと、開発はほとんど別の会社に委託していて、せっかく就職したのに開発ができない、なんてことになります。
大学で就職活動をすることと思いますが、ぁこ:)★さんがやりたいことができる会社かどうかを真剣に見定める必要があります。覚えておいてください。
以上、かな~り長く書きましたが、ご参考になれば幸いです。
最後になりましたが、ぁこ:)★さんは、経験に基づいた、具体的な願望があり、それを実現させるためのイメージを持ち、そのために行動をしています。
ですので、必ずぁこ:)★さんの想いは実現するでしょう。
勝手に応援させていただきます。
それでは!
_____________
>>D.A.Iさん
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
御回答ありがとうございます。
主に工学に入ってくるのですね。
工学部にあった科目選択をしようとおもいます!
理学部でもよいというのをお聞きして大学受験の幅が広がり少しホッとしました…。
求人情報を一概なのですが、リクルートなどで調べてみたところ、
自分はできたら大手メーカーのテルモさんなどで働けたらなあ…と思っていたのですが、
電子カルテなどの応募しかやっておらず、注射針の開発は具体的には記してありませんでした…
注射針というある意味マイナーな部門ということで就職には狭き門なのですね…
でも、これからまだ進路的にも探せる機会があると思うので
あきらめずに探してみたいと思います!
自分が検査などでしかお目にかかれなく、どこが主流なのかわかりませんが…
注射器メーカー様のサイトなども根気強く調べてみようと思います!
将来D.A.Iさんのようなお医者様に少しでも便利に使っていただけるような
注射針づくりがしたいです!
ありがとうございました(^^)
_____________
>>XANさん
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
御回答ありがとうございます!
XANさんは新薬を開発していらっしゃるのですね。
私も年のわりに注射は少々苦手で…インフルエンザ予防のワクチン注射も痛みがいやでいやで
足が自然と病院から遠のいてしまいます…。気づけば中学生から打ってないかも…
御恥ずかしながら痛くない注射針という開発部門を希望している理由がそれでもあります。
XANさんが開発されるすばらしい新薬も注射嫌いの患者さんにわかっていただけないなんてヒドいと思います!
いただいたコメントのおかげで「自分が絶対開発するんだ!!」という意欲が沸々と湧いてきました!
XANさんの製薬会社さんとも将来パートナーとなって”痛くない注射”を創り上げていきたいとまた大きな夢ができました!
素敵なコメントありがとうございました!
皆さんがこんなにコメントしてくださって本当に嬉しいです(;;)
何年後かになってこんな素敵な方々に出会えて本当によかったと思い返すことがたくさんあると思います。
看護師さん、お医者さん、医薬開発の方。
部門や役柄は違っても
皆さんそれぞれ患者さんのことを日々想って御仕事されていてとっても素敵ですね。
私も皆さんのように誇りある仕事がしたいです(;;)
これから目標に向かって日々鍛錬していきたいとおもいます!!
ありがとうございました!!

ぁこさん,こんばんは。
私は医薬品の開発をしている製薬会社の者です。私のチームは今,ある新薬を開発しているのですが,それは注射薬なのです。どんなにいいお薬でも,注射はやっぱり痛くていやですよね。患者さんの気持ちになれば,「薬のためだからしょうがないでしょ」とは言いたくないです。そんなときには,「ああ,痛くない注射器があったらなぁ」と思っています。そんな注射器が開発されたら,あらゆる注射薬に使われるでしょうね。
回答して下さった「ときわさん」は,看護師の立場でご意見を述べられていましたが,製薬会社の開発の立場からも,あなたがそれを開発して下さる日を楽しみに待っています。

様々な分野とコラボすることになりそうですが知る範囲では工学部の範疇に入ると思います。
理学部でもまぁいいのではないかと。
あこさんの希望は痛くない注射針ですか。具体的でいいですね。
まずはどういう企業が注射針を設計・製造し、どのような条件で求人を募集しているか調べてみるといいと思います。設計自体は大手のメーカーなんかが多いんでしょうけどね。
_______________
>>ときわさん
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
御回答ありがとうございます。
私も以前ボランティアで理学療法士の体験学習をさせていただいたことがあり、
その病院は高齢者専門の病院だったのでその方々の看護もさせていただき、
生活の補助、身体機能の回復への導き(マッサージや体操)など
たくさん体験させていただきました。
そのとき寝たきりの方をお風呂を入れるなどの作業は大変だなあと実感しました。
開発者の現場での経験が生かされ、患者さんのことを想って
人の役立つものが生まれるというのはとってもすてきですね。
私もそういったものづくりができたらいいなあ…
教えていただいた人間工学を調べてみました。
自分の開発業という部門でもたくさん役立つことが学べるみたいで
将来への希望が湧いてきました!(^^)
デッサン力などは至らないところがたくさんありますが…
細かい作業などは大好きなのでこれから技術をみがいていこうと思います!
薬液がその穴を通るときの抵抗、人間の身体の部位によって、
どの針を選ぶかが決まってくるのですね…
いままでお聞きするまで知りませんでした。
そういえば血液検査のときの腕に刺す太い注射は吸われるときに痛かったことを覚えています…
最近では蚊の針のような注射針ができたと話題になりましたが、
まだ機会がなく、出会っていません。
やはり人体に刺してつかうものなのでどういったことで
痛みが和らぐかなど人間工学で学ぶ必要がありそうですね…
たくさんの人々に役立つものづくりができるようまずは
大学受かって、たくさんのことを学べるよう精進したいと思います!
ときわさんのようなとてもすばらしい方に回答していただいて
とても嬉しいです(*^^*)
ありがとうございました!

看護学生時代、保育器を中心に製造しているメーカーを見学に行きました。
そこの開発部には、看護師として数年働いて、開発に目を向けた方もいると聞きました。
紹介してもらった話は、寝たまま髪を洗う『洗髪器』でした。
美容室で髪を洗う姿を想像してもらうとわかりやすいのですが、首が疲れます。
『力を抜いていいですよ』と言われてもツライ。
病気の方ならなおさらです。
そこで、あの水を受けるボウルに頭を支えるバンドを渡したらどうか?
と、たった1本のバンドを作ったそうです。
これが、医療現場では大好評だと聞きました。
洗うほうも、洗われるほうもラクです。
この話から推測すると、たとえ看護師ではなくても、人間の身体を十分知っていたほうが開発しやすそうです。
大学の、例えば、人間工学などを勉強できる科をちょっと調べてみるのはどうでしょうか。
あと、設計図と、試作品を作れる腕も必要です。
こちらは今からでも身に付けられそうです。
デッサン力、指先の器用さを鍛えてください。
注射針ですが、薬液がその穴を通るときの抵抗、人間の身体の部位によって、
どの針を選ぶかが決まってきます。
部位によっては差すときだけ痛い場合、また、薬液を注入するときだけ痛い場合と、
どんなに針が改良されても、どうにもならない痛みが出ることもあります。
これは永遠のテーマかもしれません。
いずれにしても、『より良くしたい!』という気持ちが大切です。
現場はその気持ちに支えられています。
あなたの作った製品を使える日を待っています。