HOME > もっと教えて!フォーラム > 人に教える・育てる「教育」に関わる仕事 > 回答・コメントする(No.8777)
もっと教えて!フォーラム
回答・コメントする(No.8777)
-
いつも、子どもたちの疑問にお答えいただき誠にありがとうございます。
13hw編集部より、ご回答くださる際のポリシーに関するお願いです。
-
回答は、基本的には、その職業の方(または経験者、相応の知識を有する方など)にお願いしております。
しかしながら、なかなか回答のつかない質問もあります。
投稿されてから2週間経っても回答がつかない質問に関しましては、職業などに関係なく、ご回答のご協力をお願いしたいと考えております。 -
白書の皆様におかれましては、貴重な時間を割き、子どもたちの質問に丁寧にお答えくださったり、叱咤激励してくださって誠に感謝しております。
このようなお願いをするのは大変恐縮なのですが、勇気を出してこのサイトに質問を投稿してくれた子ども達に、よりよい情報を提供したいと考える当サイトの運営ポリシーをご理解・ご了承いただけますと幸いです。
茶道の講師になるためには最短でどのような道へ進むべきでしょうか。
[Q] 私は職業高校に通う一年生で、茶道部に所属しています。
小学校三年生から茶道を始め、裏千家の初級を持っています。
私がこの職業に興味を持ったきっかけは、普段の生活から、マナーのない人が多く見受けられるようになったからです。
それは、他の人と一緒に食事をとっている際も携帯電話をいじっている人、さまざまな人が利用する教室の中で髪をとかす人など、周囲の人を気使う心があまりにも欠けているのではないかと思ったからです。
私は茶道という文化は、相手を思いやる心が一番に感じられるものなのではないかと思っています。
ですから多くの人に茶道に親しんでもらい、日本の素晴らしい文化、心を大切にしていきたいと思ったからです。
しかし、茶道の講師になるためにはとても時間がかかると聞きました。本業にそれだけを目指すには、今からをからできることを考え、どれほどかかるのでしょうか。
また、こんな考え方の生かせる職業はほかにありますか。
回答よろしくお願いします。
この類のお稽古事の経験に乏しいので,現状に即していないかもしれませんが,茶道教授だけで生計を立てられるのは,殆ど宗家のみではないでしょうか.
歴史を振り返ると,茶の湯は武家社会や全集の影響が色濃いわけですよね.その昔,茶道家は武家などのパトロンから庇護を受けることにより,茶の湯の文化を発展させてきたと習いました(たとえば豊臣秀吉と千利休の関係ですね).うがった見方をすれば,当時から「茶道で喰っていく」ことは出来なかったのでしょうね.
世は変わり資本主義社会となりました.文化の保護,という意味で国からの補助などがあるのかどうかは分かりませんが,現在茶道家の収入は,免状の発行料(あるいは茶器などの鑑定料)が大部分を占めるようになっていると思います.その免状を発行する権限を持つ者が沢山いると,それだけ稼ぎが減ってしまいます.かつ,その免状の持つ「権威」が下がってしまいます.故に,宗家だけが権限を独占することにより,収入の分散を防ぐと共に,権威の保持をしているという図式が成り立ちます.
これがいいか悪いか,というのは別問題です.茶の湯という素晴らしい伝統を後世に伝えるために,すなわち宗家が生き残るために,現代社会に適応する経営様態を取るようになった,ということなのでしょうから.
ですから,お師匠さんから受け継ぐのは「心」だけでいいのではないか,と思います.看板まで受け継ぐ必要はないのではないでしょうか.それよりも,他の仕事でその「心」の種を播いていった方が,美沙緒さんの望みにかなっているかも知れません.
茶道には、気の遠くなるような歴史があります。
だから、師範になるのにも「ここまではやっていい」という「許しを得て」少しずつ先に進むのですよね。
これからその道に入るのに、「最短」を探ろうとするのは、「邪道」ではないでしょうか?
お金も暇もかかるのが「茶の道」と心得て、覚悟して進んだ方がよいのかも、と思ってしまいます。
お稽古事としてたしなむ方は多いですが、茶の道で生計を立てている方は、すくなくとも私の周囲にはいません。
「効率」を求めるのなら、この道には進まない方がよいような気がします。
もちろん、茶の道の奥にある「わびさび」や、おもいやりなどは、今の社会にとても大切なことだとは思います。
だから、なおさらのこと「最短で師範に」などと考えない方がよいのではないでしょうか?
通りすがりの大学教員さんも書いていらっしゃいますが、お茶で学んだ「心意気」をほかの職業の場面で生かしてこそ、「道」の意味があるのだと考えます。
医学部の学生を見ていて,自分の頃と「変わったなぁ」とジェネレーションギャップを感じたのは,ペットボトルのお茶を飲みながら,あるいはお菓子を食べながら講義を受ける学生が非常に多く見られること.美沙緒さんのお話ではありませんが,携帯の画面に夢中な人もいます.髪の毛を染めている男子学生は,私の頃は一人もいませんでしたが,今では1/3くらいが茶髪です.気になります.やはり私もいっぱしのオッサンになったのかな.
某女子高校の校訓に「恥を知れ」というのがありますが,時折私もその言葉を自分に戒めております.あなたの書き込みから,改めて気を引き締めていかなければ,と思った次第です.ありがとう.
茶道講師ですが,世の中のお稽古ごとは,免状や段位などを認定されるためには,修練する期間(長さ)が大事になります.あたかも時間をお金で買うように,多額の授業料を支払うことにより期間の短縮を図る,というやり方も場合によってはあるのかもしれませんが,それは美沙緒さんの本意ではないと思います.
あと,茶道講師のみで生計を立てるということは,大変難しいのではないかと思います.大変申し訳ないのですが,農業や漁業,教育・医療などに比べると,社会の要求性が低い分野ですから・・・.それだけに,お稽古の収入だけでそれなりの収入を得るためには,どうしても心やマナーというよりも,銭勘定の方を優先させなければならないこともあるでしょうしね.
また,教室を開いたとしても,その門をくぐる人というのは,日本の素晴らしい文化や心に興味のある人だけ.対象が非常に限られた範囲の中にしかありません.美沙緒さんは,もっと多くの人たちにその素晴らしさをアピールしてみたくはありませんか?いわゆる「啓蒙活動」というやつです.
啓蒙活動に最も適した職種は,実は「学校の先生」だと思っています.たとえば学校で勉強を教えながら,茶道部の顧問をするというのは,ある意味理想とは言えませんか?
これ以外にも,あなたの気持ちを生かせる仕事というのは,世の中にゴマンとあるのではないかと思います.人と直接関わるような仕事が良いでしょう.すぐには思いつきませんが・・・.