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回答・コメントする(No.8816)
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国境なき医師団に必要な言語、そのほか・・・
[Q] 国境無き医師団に入るため、
大人になる前に英語以外も覚えておきたいです。
何語が一番必要でしょうか。
また、
英語が完璧で無い状態で、
他の言語を並行して学習することは効率悪いのでしょうか
それと、
国境なき医師団でたくさんの人役に立つには
高校生活の中で、どんなことを意識し、具体的には何を身につければ良いでしょうか。
どんな人間になれば良いでしょうか。
昔のスレッドを掘り起こしてコメントします.
日曜日の朝7時から,文化放送「ロンドンブーツ1号2号田村淳のNews CLUB」と言う番組で,MSFの広報の方がお話をされるようです.
9月19日、26日(日)、朝7時~ 斉藤潤さん
(国境なき医師団日本 広報部)
もう第1回目は終わってしまいましたが,興味のある方は聴いてみては如何でしょうか.
学生時代に教わった小児外科の先生が,MSFに所属しておりました.また,現在一緒に働いている先生が,JICAを介して海外で医療活動をしていました.いずれも女医さんです.
基本的に,医療活動は全てを独力で行えることが前提となります.日本で例えれば,僻地の無医村に一人で赴任するようなものです(Dr. コトー診療所みたいな感じ).実際に医者をやってみれば分かると思いますが,2~3年経験を積んだ程度では,とてもじゃありませんが診療を任せることは出来ません.すなわち,MSFなどで活躍をするためには,ある程度一般的な診療行為をマスターした上で,出来ればsubspecialityとなりうる専攻を持っていた方が良いでしょう.実際,応募用紙には経験を記載すると共に,「下級医を指導したことがあるか」というような質問が並んでいます.これくらいの経験を得るためには,現行の臨床研修制度では,最低でも卒後5-6年の修練を要します.実際に派遣されている方々も,それなりのキャリアを持っている方が多いですよ.
語学が堪能であることは良いことですが,mustではありません.要求されるのは言葉よりも技術ですからね.まぁ取り敢えずは英語をしっかりしておけばよいでしょう.まず最初の関門は,医学部の受験でしょうから・・・.ちなみに,英語と多言語の並行学習ですが,同系統の(要はラテン語系列)言語であれば,特に効率が悪いとは言えません.むしろ,言葉の構造などの共通性を見つけながら勉強できるので,良いかも知れません.ただし,今やらなければいけない事ではありません.受験科目に精魂傾けた方がよいでしょう.
高校生活で意識し,身につけなければいけないことは,特別なことは何もありません.ただ普通に楽しく高校生活を送って下さい.この世界,どこに行っても体力勝負ですから,健康な体を作ることに留意して下さい.あと,くどいようですが,医学部受験はかなり難しくなっています.試験に落ちないようにすることが先決です.満遍なく勉強して下さい.
最後になりましたが,MSFにいるだけで生活をすることは出来ない,ということはご存じですよね?基本的にMSFは実体のない団体で,必要に応じて登録した医師を派遣するような形を取っています.派遣に対してサラリーが支払われますが,下手すりゃアパート代にもなりません.従って,MSFに所属する日本人医師は,日本で普段の生計を得るための職場を持っています.具体的な募集要項については,MSFやJICAでは医学生・研修医向けに定期的な説明会を行っていますし,一部の病院(例えば赤十字系列)では,直接海外や被災地に医療スタッフを派遣する事業を行っていることがあります.医学部に入ると,掲示板などでこれらの説明会の参加募集を良く眼にすることになると思いますので,十分調べて下さい.でも,その前に医学部に入ることが先決ですよ!
Médecins Sans Frontières:(メディサン・サン・フロンティエール)
が、「国境なき医師団」の正式名称ですね。何語かわかりますか? フランス語です。
なぜかというと、国境なき医師団は、最初フランス人医師たちにによって作られた団体だからです。
アフリカには、フランス語を話す国がたくさんあります。昔、イギリスと並んで、フランスがアフリカに植民地をたくさん持っていたので。
あとは、中南米なら、スペイン語を話す国が多いし、中国語なとでも支援はしているし…要するに、支援をしようとしている国によって必要な言語は違うと思います。
「派遣地域によっては、他の言語の知識も役立ちます。(ポルトガル語、アラビア語、ロシア語、中国語など) 」と書いてありました。
それから、「国境なき医師団」で医療活動を行うためには、「初期研修後2年以上の臨床経験」が必要とされています。つまり、医師キャリアの最初から「国境なき医師団」の医師や看護師として働くことは、原則不可能ということです。
なお、医療以外の分野の職種の募集もあります。
日本や他の国で医療活動の実績がなければ、応募出来ない仕組みになっていますので、
まず、しなければいけないことは、たくさん勉強して、日本で医師になり、医師としての経験を十分に積むことですね。