HOME > もっと教えて!フォーラム > 生命を扱う「医療・福祉」の仕事 > 回答・コメントする(No.8856)
もっと教えて!フォーラム
回答・コメントする(No.8856)
-
いつも、子どもたちの疑問にお答えいただき誠にありがとうございます。
13hw編集部より、ご回答くださる際のポリシーに関するお願いです。
-
回答は、基本的には、その職業の方(または経験者、相応の知識を有する方など)にお願いしております。
しかしながら、なかなか回答のつかない質問もあります。
投稿されてから2週間経っても回答がつかない質問に関しましては、職業などに関係なく、ご回答のご協力をお願いしたいと考えております。 -
白書の皆様におかれましては、貴重な時間を割き、子どもたちの質問に丁寧にお答えくださったり、叱咤激励してくださって誠に感謝しております。
このようなお願いをするのは大変恐縮なのですが、勇気を出してこのサイトに質問を投稿してくれた子ども達に、よりよい情報を提供したいと考える当サイトの運営ポリシーをご理解・ご了承いただけますと幸いです。
代替医療について
[Q] こんにちは
私は、代替医療について興味を持っています。
代替医療を学ぶには、何学部を志望すればいいのでしょうか?
また、代替医療を学べるのは医学部だけなのでしょうか?
回答お願いします。
質問者に対する回答は,マリオン先生のお話で必要十分な情報だと思います.
基本的に医療行為を行うためには医師免許が絶対に必要であるため,現状では医学部に進学するのが必須であると思います.
代替医療として特に有名なのは漢方で,千葉大学でなくとも,全国の大学医学部附属病院には「和漢診療部」として漢方を中心とした医療を行う部署があると思います.それ以外に,たいていの医学部にはサークルとして「東洋医学研究会」というのがあり,漢方の心得のある医師に自主的に教わったりしていることもあります.ちなみに大学の系統講義では,東洋医学の講義はございませんでした(今は違うかも知れません).
伝統的に漢方の研究が有名なところは,富山医科薬科大学です.「和漢医薬学総合研究所」という施設があります.興味があればご覧下さい.
http://www.inm.u-toyama.ac.jp/index-j.html
ちなみに,どのような代替医療に興味を持たれたのですか?実例を挙げていただければ,もう少し知っていることをお話しできるかも知れません.

千葉大学にも似たような講座があり、大学病院では、診療も行われています。
(私も受診したことがあります。)
ここの先生のお一人は、NHKの「チャングムの誓い」の監修をされていた方です。
http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/wakan/index.html
「通りすがりの大学教員さん」がお詳しいと思います。

はじめまして、めーさん。内科医のマリオンと申します。
代替医療にはどのような経緯で関心を持ちましたか?
ネットで検索するといろんな情報が錯綜している現在、様々な治療や食品の説明を読むよりも先に、正しい知識を得てほしいと思います。
社会的に権威のあるところから引用してみましょう。
代替医療を研究している金沢大学補完代替医療学講座のホームページによりますと、
補完代替医療とは、【現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称】と定義されていて、「通常の医学校では講義されていない医学分野で、通常の病院では未だ実践していない医療のこと」になります。
通常の医学部では講義されていない、とはっきり書いてあります。なぜなら、日本の医学部は西洋医学を教えるための学校だからです。
(私の学生時代、漢方医学を学んでいた同級生もいましたが、あくまで独学でした。)
代替医療が今後認められていくためには、西洋医学主流の医療界において、科学的検証を行うことや、統計学的に証明される効果を示すことが不可欠、と私は思っています。
科学的検証や統計学的証明という発想自体が西洋医学の発想だ、もっと患者個別の事情を考えるべきだという、批判は重々承知しておりますが。
だからこそ代替医療の検証や研究を行うべきだと考え、行動する医師の方々が日本にもいます。
金沢大学補完代替医療学講座 http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med67/index.html
四国がんセンターのホームページ http://www.shikoku-cc.go.jp/kranke/cam/index.html
このような国に認められた機関のホームページを隅から隅まで読んでみることを勧めます。
もしあなたが正式な医療として自らが代替医療を行いたいのならば、医学部で西洋医学を学び日本の医師免許をとりましょう。日本で「医業」を為すのは医師だけと法律に定められているからです。その上で、初志を忘れず代替医療を学び、西洋医学と対比させながら活動するべきだと思います。(漢方医学を学ぶため中国留学した医師もいる、と聞いたことがあります) その他、薬学部で学んだ後、「薬の相談に乗る」という関わり方もできるでしょう。
様々なセラピーを行う、または効果のあるものを販売して活動したい場合は、医師免許はいりません。その世界は、玉石混淆としか表現できません。医師や医学博士のお墨付き、と称していても、本心からお墨付きを証明しているのか、名前をお金で売ったのかは、わからないものです。あなたの良心にかけて、選ぶに値する方法を習得してください。
随分話が長くなったので、調べてほしいキーワードを提示して終わりにします。
*プラセボ *統計学的な有意差