こんにちは。門外漢ですが、思うところを率直にコメントします。
世の中には、ごくまれに「シンデレラなんとか」とか言われるとんでもない才能の持ち主がいますが、そういう人はまずこのサイトのような場所に訪れないでしょう(その前に自分でさっさと運命を切り開いています＝これも才能ですから)。そういう前提です。

あなたが「実は(何が何でも女優になりたい)という訳でもない」と思っているなら、プロの女優になるための努力は、特に必要ないでしょう。今のままのあなたには、女優になる見込みがないからです。
趣味として舞台を楽しむという選択肢だって決して悪くはありません。実はその方が人生を豊かに過ごせる可能性がはるかに高い。でもそれでは物足りない、と思うなら、全てを投げ打ってでも女優になる、という相応の覚悟が必要です。たとえそれがうまくいかなくても、全て自分の選んだ結果だと納得できる強さがあなたにはありますか?
あなたが覚悟を決めたとして、今通っている学校を変えてまで何かをしても、それであなたの夢に近づく可能性が格段に高くなる、という訳ではありません。今のあなたが置かれた条件でも、できることはけっこうあるはずです。学校にもよりますが、たいてい合唱部ぐらいはあるでしょうし、その他にも「自分を表現する事を経験できる」機会は学校の内外にたくさんあります。それで直接あなたの夢に近づける訳ではありませんが、あなたが将来自分の力で夢に向かうときに、幾ばくかの財産にはなるはずです。
あなたはなぜ女優がきれいに見えるか、考えた事はありますか? 多少は生まれついての容姿が影響する事は否めませんが、それだけではありません。女優と呼ぶにふさわしい女性が美しいのは、一人の人間として自分自身を磨いているからです。内面から湧き出る美しさを持つことで、初めて俳優として優れた仕事を全うできるのです。

私の職場に、舞台俳優志望の派遣社員の女の子がいたのですが、長い下積みの甲斐あってようやく少しずつ役をもらえるようになり、昨年、一念発起して派遣の仕事を辞めてしまいました。職場中がもうびっくり。
彼女は長らく失業保険とアルバイトでぎりぎりの生活をしていたようですが、努力の成果があって、ようやく準ヒロイン役を演じるまでになったようです。客席が300にも満たない小さな劇場ですが、たまたま今日が公演初日です。彼女が十数年ずっとがんばった結果を実感できていればいいな、と私は願います。
俳優の練習と職場の両立は本当に難しい。どうしても外せない舞台の都合で重要な仕事に穴を開けてしまい、こてんぱんに怒られて(これは当たり前)会議室で悔し涙にくれていた姿を知っているので、小さくはあっても夢を実現できた彼女を、私は素直にすごいと思います。
実際、彼女は幸せでしょう。会社を辞めて赤貧の暮らしを続けながら俳優を目指しても、舞台に上がる事すらかなわない人の方がはるかに多いのが現実です。それでもなお前を向き続けるだけの心の強さを、あなたにはぜひ身に付けてもらいたい。そういう人だからこそ、舞台の上で美しく輝けるのだと、私は思います。