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回答・コメントする(No.9654)
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電線など電力供給の設備をメンテナンスする仕事について教えてください。
[Q] 工業高校の電気科の生徒です。
電柱で作業する仕事にあこがれて
第1種電気工事士の資格を取りましたが、
実際の仕事のことが何もわかりません。
どんなことでも結構ですので教えてください。

知人が鉄塔職人(高圧電線の職人)をしています。
なり手がなく、全国で4000人をきったそうです。

skipさん こんにちは。
高圧送電線の建設会社に勤めている者です。
電柱で仕事をする架空配電線の仕事に関しては明るくないのですが、ぜひ架空送電線の仕事に興味を持って欲しい!と思い送電線の仕事を紹介します。
架空送電線の仕事は、発電所-変電所間、変電所-変電所間を繋ぐ送電線とそれを支える鉄塔を建設、整備します。外を歩いていると送電線を張った鉄塔を見ると思いますが、古いものでは大正時代以前から建っているものなども有ります。そのような老朽化した鉄塔を建て替えたり、痛んだ電線を張り替えたりをするのが私たちの仕事です。
送電線鉄塔は、高いもので100mを超えます。その上に昇るだけでもかなりのインパクトですが、実際に作業する人は電線に身一つで乗り出します。(命綱は着けてます)最初は足が震えるほど怖いのですが、宙に浮いているような感じがして楽しいですよ。
私が勤めている会社は、電力会社さんから仕事を請け負って、工程の管理や資材・品質・安全の管理・監督を行います。そして、鉄塔に登って作業したり、鉄塔を建てる為の穴を掘ったりする仕事に応じて下請け業者さんに工事を依頼します。
これは、配電の仕事でも同じことが言えますが、電力会社、調査会社、設計業者、元請施工業者、下請施工業者等の違いで仕事の内容は変わってきます。特に、会社の規模によって扱う電圧も変わってきますので、ご自身がどういった形で電気に触れたいかによって、希望する会社を選ぶ必要があります。
弊社にも、工業高校電気科の卒業生が数人いますが、中には、配電の仕事だと思って入社してきた人もいました。この人の場合は、最初こそ戸惑っていましたが、今では送電が楽しいと言っているので結果オーライですが、入ったはいいけど予想していた仕事内容と違う、ということが起こりやすい業界なので、会社選びの時にはその会社の人に良く聞いてください。
質問の直接的な答えにはなっていませんが、もし、送電のことについてもっと詳しく聞きたいことが有ったら、またコメントしてください。

こんにちは。ご希望の職種とは直接の関係はないのですが、分かる範囲で簡単にコメントしますので、よかったら参考にしてください。
「電力供給の設備をメンテナンスする仕事」とのご希望ですが、これは意外と幅広くて、例えば発電所や変電所・変電設備の整備や、送電線の保守・張り替え、街中の末端部(要するに家庭に電力を届ける部分)の各種工事などなど、いろいろあります。あと10年もすれば「スマートグリッド」関連(これはぜひご自分で調べてみてください)の新しい保守業務が大量に生まれるはずです。
ここで「電柱でする作業」ですが、おおざっぱに分けると、まさに町の電柱に登ってする作業と、高圧電線の整備をする作業に区分できます。
電柱を登る方のお仕事は、各地域の電力会社およびその協力会社が行っています。新しくできた建物に末端送電線を張ったり、漏電や停電時の復旧工事をしたりと、仕事の内容は様々です。職場によっては交代勤務となります。比較的低い電圧を扱う事が多いはずです。身近に見る機会の多い仕事なので、ここであれこれお話しするのはヤボでしょう。
一方、高圧電線の整備は、電力会社、「鉄塔メーカー」と呼ばれる会社、それにこうした仕事を専門に請け負う会社が行っています。「鉄塔メーカー」とは聞き慣れないかもしれませんが、文字通り送電線を支えている鉄塔の製作・設置を仕事とする会社のことです。高圧電線の張り替えはたいへん難しく、かつ危険な作業なので、作業にはたいへん気を使います。また、たいていは周囲に民家などまったくない山奥に泊まり込んでの作業なので、都会好きの人にはあまりお勧めできません。そのかわり、文字通り全国(しかも普通の人が行けない場所ばかり)を飛び回るチャンスがあるので、そういうのが好きな人にはとてもいい仕事です。なにより、スケールがすごく大きい。仕事柄一度だけ超高圧送電線の鉄塔に登った事がありますが、まさに目もくらむ経験でした。ここで仕事をする人と替わりたいとは思わないけど、でも、やっぱりうらやましい…
あと、変わったところでは、自家発電設備を持つ会社(大きなメーカーの工場)で、そこの電力部門に勤務するというパターンもあります。例えば、私が最初に勤務した工場にも数万kwクラスの自家発電機が複数あったので、当然それをメンテする部署がありました、というか、それだけで単独の会社ができるぐらいの規模でした。勤務先が固定しているので、比較的安定した職場と言えますが、日常の変化はあまりありません(逆にトラブルが起こったときは超激務です)。原則として交代勤務です。
こうした仕事は、なかなか世間に知られる事のない、どちらかと言えば地味な仕事です。一方で、ここで働く皆さんの誠実な仕事ぶりがあるからこそ、日本は世界で最も電力トラブルの少ない国になっています(年間平均停電時間が1時間以下(!)という国は、世界中探してもほとんどありません)。職場環境・お給料・そして必要な資格など、千差万別ではありますが、いずれにせよ社会を支える大切な仕事です。あなたにあった職場を見つけて、私達の暮らしを守ってもらえたら、と思います。