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回答・コメントする(No.9731)
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古生物学者になりたいのですが、就職先はどのようなところがありますか?
[Q] こんにちは
私は、古生物学者になりたい高校一年生です。
恐竜が好きで、将来は主に竜盤類について研究したいと思っています。
今現在考えている進路は、横浜国立大学の理工学部に進学し、英語の勉強のため、1年間留学する予定です。
留学先はアメリカで、中3のときにホームステイしたお宅にお世話になろうかと思っています。
帰国後は、大学院に進学し、博士号をとるための研究をしたいです。
両親も留学は勧めてくれていて、進路にも納得してくれています。私自身、世界で活躍するような学者になりたいので、今はホームステイの経験を生かし、英語学と大学進学のための勉強に、力をいれています。
しかし、1つだけ不安があります。
それは、古生物学者になったものの、就職先がないといった事態にならないか・・・とても不安です。
日本は、恐竜の研究があまり盛んではないと聞きました。保険のような目的で教員の免許を取ろうかと思うのですが、なるべくそれに頼りたくないです。
日本で取った博士号は世界で通用するのですか?
また、それを生かして研究および仕事のできる就職先はあるのですか?
その仕事によって得られるお給料はどのくらいなのですか?
私の進路希望の考え方はまちがっていないですか?
よろしくお願します。

バレリーナさん、こんにちは。
通りすがりの学芸員です。
古生物学が専門ではありませんが、最も関わりが深そうな職業についている者としてアドバイスを送ります。
古生物学がもっとも活用出来る就職先は博物館です。
国公立の博物館の職員は公務員なので、びっくりするような給料を手にすることはありません。
博物館での職名は「学芸員」で、大学在学中に教員免許と同じような仕組みで取得出来る資格です。
国内の博物館は、
①学芸員の資格と関係なく「研究員」として採用する
②学芸員の有資格者を採用する
③教員採用枠で採用する
という3つの採用パターンがあります。
教員免許も何かの役に立つことはあると考えて取っておくと良いでしょう。それに加えて「学芸員」の資格を取ることをお勧めします。
次に、これから進学しようとしている大学も有力な就職先です。大きな研究室を構える大学はほとんどありませんが、それでも国内の多くの大学に古生物学専攻の教員が配置されています。ただし必ずしも恐竜の研究が求められている訳ではないと思います。
バレリーナさんが書かれているように、日本は恐竜の研究が外国ほど盛んではありません。それは日本に恐竜の化石を産出する場所が少ないからです。しかし最近では兵庫県で新たに恐竜化石が発見されるなど、これまでの知見を覆す発見が続いています。
世界で活躍することを視野に入れているのであれば、就職の場を外国に求めるのも1つの考え方です。日本の近くでは中国やモンゴルで多くの化石を産出し、研究が盛んです。もちろん、北米や南米も多くの化石を産出し研究をリードしています。
日本にとどまることにはデメリットがあります。その例ともいえる事件が最近ありました。国内で恐竜の研究をしていた会社で経営的な問題が生じてしまい、研究が中断してしまいました。研究のためには外国に長期間行かねばならず、多くの資金を必要とします。研究材料を得るうえで日本は大きなハンデがあり、その意味では諸外国の研究を越えることの障壁ともなっています。
日本でとった博士号は世界でも通用します。
心配ならば、外国の大学でも博士号を取得すれば良いのです。外国での研究も視野に入れてみてはいかがでしょう?
どんな進路希望の考えに間違いは無いと思います。あるのは現実的か、非現実的かの違いでしょう。研究の道に進むときに重要なのは、研究対象への思い入れ=どれだけ好きか、だと思います。
研究者への道を進もうとする際、周囲の理解や支えはとても心強いものです。留学や進路に理解を示されているご両親に感謝を忘れず、ぜひとも希望の道を進んでください。