林業

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林業日本の森林の面積は約2500万ヘクタールで、国土の67%を占めている。数少ない天然資源に関わる林業だが、従事している人は、1960年に44万人、80年に17万人、90年に11万人、2000年には6万人にまで減少した。逆に、50歳以上の高齢者が全就労者中に占める比率は70%に達していて、造林面積や伐採面積も減少し続けている。木材の値段も下がり続け、その代わりに輸入量は増え、自給率は下降の一途をたどっている。日本の林業は重大な危機を迎えているといえるだろう。日本の森林は急な斜面が多く、機械化しにくい。つまり人件費は高くなる。さらに山村には過疎化という問題もある。また、林業の衰退とともに、間伐(木が多すぎると十分な日照が得られないので曲がってしまった木などを間引きする)をしないためにやせ細った森林や、植林されずに放っておかれる森林が増え、問題となっている。そのため、林業人口を確保したい地方自治体のなかには、林業の仕事につきたい人と、森林組合(*1)や民間企業を結びつけ、資金援助を行うところも出てきている。未経験者を対象にして林業の体験イベントなども行われるようになった。
(*1) 編集部注:書籍では”林業組合”

また環境の面からも、水資源をたくわえ、土砂の流出や崩壊を防ぐ「緑のダム」として、森林を保護する動きも起こっている。あるいは、最近のアウトドアブームのなか、野生動物、野鳥、昆虫などの宝庫として、また新鮮な空気を提供する場所として、森林を観光資源ととらえる考え方も生まれている。

木の住宅の需要も回復しつつあるし、伝統工芸の材料としても日本の森林の再生の必要性がいわれるようになった。バイオマスなど新エネルギーを開発するために実際に森で活動している人も増えつつある。環境への意識やアウトドアのブームとともに、樹木医や森林レンジャーなど森林や樹木と向かい合う仕事への関心は確かに高まっている。しかし、林業の基本は、木を植えて、育てることだ。植えた苗を守るために雑草を刈ったり、間伐などの作業は、非常にハードで、しかも報酬は安い。林業の仕事につくには、各地の森林組合か、都道府県林業労働力確保支援センターに連絡するか、求人誌を見て民間の会社に入るのが一般的である。基本的に、学歴は問われない。

<< 編集部の職業解説 >>

森林で樹木を苗から大きな木になるまで育て上げ、伐採して木材に加工するのが林業の一般的な仕事。そのためには天然資源である森林の育成に充分配慮しながら下刈りや間伐、伐採跡地を整理するといった作業を行っていくことが必要だ。また、自然環境破壊問題を通じて自然と人間との共存共栄を考え、森林への深い知識と理解力を必要とする点において、重要でスケールの大きなやりがいのある仕事と言えるだろう。森林施業計画の作成や、造林等の事業にかかわる計画書の作成・実行、林道の調査・設計、施工管理なども、林業の仕事と考えられている。

現在、林業に携さわっている人の正確な数は不明ですが、2000年の国勢調査の時点で6万7558人が林業作業者として働いていました。その内訳は、育林作業者が4万1915人、伐木・造材作業者が1万7363人、集材・運材作業者が3251人、製炭・製薪作業者が1985人、その他の林業作業者が3044人です。44万人の林業就業者がいた1960年と比べて激減していることがわかります。

◆民営の事業所で働く林業労働者の現金給与日額は1万1910円。(※1)
◆林業の仕事をしている作業員の年収はケースにより異なるが300~400万円程度。(※2)

※1「林業労働者職種別賃金調査 平成16年」厚生労働省より
※2『他人の給与明細がこっそりわかる本』廣済堂文庫よりp266

林業に従事するにあたり学歴は問われませんが、高校や大学などで林業に関する基礎的な知識を身に付けておくと役立ちます。卒業後、森林組合や民間の製材会社、林業関連企業に就職するのが一般的。森林組合とは森林所有者の協同組織で、造林、育林、伐採などの作業を請け負うなどの事業をしています。林業従事者の減少や高齢化に伴い、国や自治体では林業への就職希望者を支援するさまざまな制度を設けています。

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