裁判官

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全国各地の裁判所で、民事、刑事、行政、家庭、少年などの訴訟事件を審査し、法律に基づいて判決を下し、国民の権利を守り法秩序を維持する。「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」と憲法で定められており、ほかのどんな国家機関からも干渉を受けない。法曹資格を取得後、判事補として10年間実務を積んだ後に、裁判官(判事)に任命される。現在約3100人の裁判官が全国の裁判所に勤務しており、うち800人強が判事補である(2003年度統計)。裁判官には厳正中立な法の番人であることが求められており、重い使命が課せられている。今後は裁判の迅速化、専門化に対応するため、特に繁忙な都市部の裁判所を中心に増強が求められている。

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裁判官とは、最高裁判所や高等裁判所、地方裁判所などで、検察官・弁護人の両者の主張を聴き、事実を認定し、判例などを参考にしながら法律を解釈して適用し、公正な判決を下す仕事を行う。刑事事件では、検察官・弁護人の両者から出される証拠に基づいて被告が有罪か無罪かを決め、有罪ならばどの程度の刑罰がふさわしいかを判断して判決を下す。民事訴訟では、原告・被告双方の当事者などから出される主張や証拠に基づいて、法律上の判断を行い、可能な場合は和解に導く。裁判官になるには原則として、司法試験に合格して法曹資格を取得後、一定期間の司法修習を修了して「判事補」となる必要がある。単独で判決を出すことができる「判事」に任命されるには、さらに10年間程度の経験が必要だ。

下級裁判所(最高裁判所以外の裁判所)の裁判官の数は、「裁判所職員定員法」によって定められるが、2005年3月31日の改正では、高等裁判所長官が8人、判事が1557人、判事補が880人、簡易裁判所判事が806人と明記されている。このほか、最高裁判所長官1人と最高裁判所判事14人がいる。ちなみに、判事補とは経験10年未満の裁判官、判事とは10年以上の経験をもつ裁判官を指す。

裁判官の給与は「裁判官の報酬等に関する法律」という固有の法律で定められている。裁判官や検察官の待遇は権力者などが安易に介入して圧力をかけられない仕組みになっていおり、最高裁判所が報酬月額を決めることとなている。2012年(平成24年)度の場合、判事補の初任給は227,000円で、基本給に加えて各種手当や年2回の勤勉手当(ボーナス)がつく。但し、他の公務員には支給される特別調整額、超過勤務手当(残業代)、休日給、夜勤手当及び宿日直手当の制度がないのが特徴。給与は年数とともに昇給していくが、最高クラスの最高裁判所長官ともなると月額報酬は2,050,000万円になる。ちなみに、国家公務員である裁判官や検察官と異なり弁護士は自由業。そのため年収数億円の弁護士もいれば一般の会社員以下という弁護士もいる。

報酬月額
最高裁判所長官 2,050,000円
最高裁判所判事 1,495,000円
東京高等裁判所長官 1,434,000円
その他の高等裁判所長官 1,328,000円
判事 一号 1,198,000 - 十二号 227,000円
簡易裁判所判事 一号 834,000円 - 十七号 227,000円

※裁判官の報酬等に関する法律(最終改正:平成二四年二月二九日法律第四号)より

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裁判官になるためには、司法試験に合格した後に司法修習を受け、最高裁判所に判事補として採用される必要があります。2006年度からは新司法試験が始まり、受験するためには法科大学院(ロースクール)を修了するなどの必要が生じています (ただし2010年までは旧司法試験として従来の制度も併存)。これは、法曹人口(弁護士・検察官・裁判官を合わせて法曹という)を大幅に増員し、かつ質を高めるという司法制度改革によるものです。

地方裁判所は全国に50カ所(他に支部が203カ所)、簡易裁判所は438カ所あるなど、裁判所は全国至るところに存在します。そのため、裁判官の生活は検察官同様、転勤がつきもの。新人時代に勤務する地方裁判所を2年あまりで離れるのを皮切りに、以降3~5年サイクルで転勤を繰り返すのが一般的です。大都市や地方など各地を満遍なくまわるのが基本で、裁判所のタイプも地方裁判所だけではなく家庭裁判所や簡易裁判所など異なる分野を経験していきます。(※1)

※1『弁護士・検察官・裁判官になろう』インデックス・コミュニケーションズよりp168

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