<< 編集部の職業解説 >>

法律や社会生活に関するさまざまな問題を医学的に解明するために、科学的かつ公正な研究・鑑定を行い、その判断を下す医師。死体や生体の検査、親子鑑定などが主な業務である。例えば、死体の死亡原因や死亡時刻などを判断する「検案」をはじめ、犯罪死の疑いがあると判断された死体を検査する「司法解剖」、伝染病予防などの目的で行う「行政解剖」、遺族の承諾によって行う「承諾解剖」などがある。また、死体を解剖する業務以外にも、血液型鑑定、親子鑑定などにも取り組む。法医学とは、個人の基本的人権を擁護し、社会の安全と福祉の維持に寄与するものであり、それに携わる法医学医は、法医病理学・法医遺伝学・法医歯科学、法医中毒学、法医人類学などさまざまな知識を動員して、諸問題の解決を目指す必要がある。