蒔絵師


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蒔絵(まきえ)という日本独自の装飾技術を使って、漆器などの生活道具を美しく彩る工芸家。蒔絵とは、漆を接着剤代わりにして、純金箔や純金粉、銀粉などを定着させ、絵や模様として装飾する技法のこと。夜行貝、蝶貝などの貝殻の裏側にあるキラキラした部分を薄く剥いで絵柄に使うこともある。蒔絵師はまず、漆塗り職人が仕上げた漆器などに、蒔絵筆という特殊な細筆を使って漆で絵を描く。その漆が乾かないうちに純金粉などを蒔きつけ、美しい絵柄として完成させていく。技法によっては、その上からさらに漆を塗り重ね、時間をかけて乾燥させてから表面を研ぎ、光沢を出すものもある。絵柄部分を漆や炭粉で盛り上げて立体的に見せる技法や、金粉の蒔き方でグラデーションをつける技法など、伝統的な技がいくつもある。繊細な感覚と技術力を必要とする仕事だ。蒔絵による装飾は、漆器をはじめ、仏壇、仏具、雛人形や五月人形の道具、万年筆などにも用いられている。何度も塗り重ねられた漆と金銀に照り輝く絵柄の美しさは、日本が誇る工芸技術として、国内はもちろん海外でも認められている。

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