医師

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医師は、自分で医院を開業するか、病院や診療所に勤めるか、働き方は大きく2つに分かれる。病院や診療所で、実際に患者に接して、診断し、治療する医師を臨床医と呼び、研究を行う基礎医学者と区別される。医師になるには、医科大学や大学の医学部(6年間)を修了して、医師国家試験を受験し、医師免許を取った後に、2年以上臨床研修医として働くことが義務づけられている。また、研修医制度は、その報酬も含めて変わりつつある。これまで研修医は、書類の整理など、本来医師の仕事ではないことを先輩医師や教授に押しつけられ、ほとんど臨床技術を学ぶことなく、極端に少ない報酬で働かされていた。そのため、ほかの病院の当直医のアルバイトなどをして、経験がないまま緊急治療に立ち会い、医療事故などが起こったことで、研修医制度の改革が迫られるようになった。

研修医制度を含めて、病院経営への株式会社の参入が検討されるなど、日本の医療現場にも変化が起こりつつある。将来的に、変化がどのくらい進むのかは不明だが、医学部に入り、医師免許を取りさえすればお金持ちになるというような時代はとっくに終わっている。なかには、たとえば美容形成外科のように、依然として高い利益を生む専門分野もあるが、基本的に、医師という職業は、肉体的にも精神的にも非常に負担の大きい仕事である。人間の生命という、もっとも大切なものに関わり、患者から信頼されることが前提となるからだ。しかし、当然のことだが、負担が大きく、患者とのコミュニケーションが重要なだけに、その充実感も大きい。医療事故の多発などで、日本の医療に対する批判も多く見られる。今の医療制度の中には、時代状況に合わなくなっている部分があるのも確かだ。しかし、決して日本の医療技術や医師が低レベルになってしまったというわけではなく、むしろ、進歩する過渡期にあるのだという理解のほうが正しい。確かな技術を持ち、新しい知識を吸収しようという学習意欲を忘れず、患者と誠実なコミュニケーションをはかる医師は、時代状況の変化などに関係なく、つねに求められているのである。

<< 編集部の職業解説 >>

誰でも一度は具合が悪かったり、怪我をしたりして病院や診療所を訪れたことがあるだろう。医師はそれだけ身近な存在で、生命を守るためにはなくてはならない重要な仕事だ。医師には、患者等に対し病気の治療や予防などを行う「臨床医」と、病気の原因や中身を研究・究明し様々な治療法を探求していく「研究医」の二つの仕事がある。臨床医は患者に対し正確な診察を行い、数多くの治療法の中から適切な治療を行わなくてはならない。人間の命をあずかる仕事だけに、冷静な判断力、行動力、忍耐力が必要で、また患者の人権を尊重し、患者の納得が得られるまで説明、説得できる人柄が望まれる。医師になるためには、大学医学部の6年制の課程を修了後、厚生労働大臣が施行する医師国家試験に合格することが必要。

2002年末時点における全国の届出医師数は26万2687人でした。そのうち、医療施設に従事する医師を診療科名別にみると、「内科」が7万4704人(29.9%)と最も多く、次いで「外科」2万3868人(9.6%)、「整形外科」1万8572人(7.4%)の順となります。男女比は84.4対14.3で男性が多いように感じられますが、29歳以下に限ってみれば67.0対33.0と、女性の割合が高くなります。(※1)

※1「平成14年 医師・歯科医師・薬剤師調査」厚生労働省より

◆民間に勤める医師(調査時平均年齢41.8歳)の現金給与月額は91万8200円、推定平均年収は1228万円。(※2)
◆美容外科の開業医の年収は3000~5000万円ともいわれる。病院勤務医は眼科を筆頭に1500万円前後。(※3)

※2「賃金構造基本統計調査 平成16年」厚生労働省より推計
※3『週刊ダイヤモンド(2005年11月5日号)』ダイヤモンド社よりp48
勤務先、経験年数、技能などにより大きく異なります。

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