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13歳のハローワーク 村上龍氏の職業紹介

映画におけるクリエイティブな実権は監督にあるが、制作費を集めたり、監督やスタッフを決めたり、実際上の制作の責任と実権をすべて負うのはプロデューサーである。さらに宣伝や上映する映画館の手配も行い、映画の成否のリスクも負うことが多い。映画がコケたら莫大な借金を背負うプロデューサーもいる。かつて撮影所システムが機能していたころは大手映画会社に属するサラリーマンプロデューサーしかいなかったが、今では個人でリスクを負って企画を立てる独立系の人のほうが多い。映画プロデュースのカリキュラムを持つ専門学校はたくさんあるが、実際のところ、学校で学ぶだけではプロデューサーにはなれない。ただし、これはプロデューサーに限らないが、意欲さえあれば専門学校で相当のことを学ぶことは可能だ。映画関係の専門学校に行く人は大勢いるわけで、ただ卒業しただけで職を得られるわけがない。必死に学び、講師や先輩にどん欲に質問し、いろいろな人と話して情報と知識を得て、誰よりも多くの映画を見て、誰よりも多くの本を読み、たとえば脚本家志望だったら誰よりも多く習作を書くことができるかどうか、つまりどのくらい意欲的に学べるかどうかが勝負となる。

プロデューサーの場合は、さまざまな現場を知ることが基本である。映画が企画される現場、撮影される現場、編集され音が入れられる現場、完成した映画が宣伝配給される現場での経験を、プロデューサーの助手として積むことが何よりも重要。制作助手としてプロダクションに入ったり、プロデューサーに雇われたりして、現場の経験を積みながら、プロデューサーへの道を進むのが一般的である。映画界には、いろいろなタイプのプロデューサーがいるが、共通しているのは、実力と人気のある俳優か監督に強いコネクションを持っていることと、映画が好きで好きでたまらないということ。別の業種でお金を儲けて、制作費を準備すれば、とりあえずプロデューサーになれる。だが、そういう人は長続きしない。またお金儲けが目当てだというプロデューサーも、1度や2度の成功はあっても、どういうわけかいつか必ず失敗して、映画界から撤退する。

 

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