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回答・コメントする(No.3348)
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生徒がこわいこと
[Q] はじめまして!
高校2年生で、高校教師をめざしています!
質問があります。
よければ教えてください!
生徒がこわいことってありますか?
叱らなくてはいけないのに,嫌われたくないから・・・
と思うことはありますか?
もし自分が先生になれたとして、
ちゃんと悪いことは叱ったりできるのかな?
と、考えることがあります。
私はそんなことまで考えるほど今やるべきことができているとは思えませんが・・・
教えてください★

まりさん,こんにちは。
私は中学校で教員をしています。
教師の仕事は,生徒を一人前の人間に育てることだと思います。生徒に好かれるのが仕事だとは思っていません。逆に,嫌われてなんぼ,という感じでさえあります。
ですから,原則,叱るべきものは叱ります。ただ,「叱る」=「注意する」「怒る」「大声で激しい口調でどなる」ではないということですね。そのような叱り方は,多くの場合生徒の反発を買うだけのことでしょう。そういう経験もたくさん積んできました。こうなっちゃうと叱ることが怖くなるでしょう。
まりさんは女性ですから,そのような叱り方をすることは難しいと思います(できる先生も結構見えますけどね)。しかし,生徒の心にしみるような言葉かけはできるかもしれませんね。用は,心に入っていくかどうかなので(難しい表現ですが),どうすればいいかまりさんも考えてみてください。失敗を恐れずにトライしようという気持ちが,恐怖感を乗り越えるものになると思います。

まりさん、はじめまして。
教育をめぐる情勢は日に日に厳しくなってゆきますが、そんな時代に教員を目指す貴女に敬意を表します。高校生ということで、現実に目の前にいる高校教員を見て、なおかつ教員になろうとする姿勢は大変立派だと思います。尊敬できる先生が貴女の高校にはたくさんいるのでしょうね。
さて高校教員をやっている者としてコメントいたします。「こわい」とは、恐怖を感じるということですよね?人間誰しも、多数の人前で話すということは緊張しますし、相手の反応によっては萎縮することはあります。教員として場数を踏んでも、私のような未熟者は授業の入りはいつも緊張してますよ。
そして人間として相手に恐怖を感じることもある、のです。しかしそれは相手の側に理由があるのではなく、自分が人間として相手以上のものを持っていないことが理由だと、最近わかってきた気がします。こわさ、とは表面的な恐ろしさ(教員にも時折いますが、いわゆる強面や威圧的態度で圧倒しようとすること)ではなく、教員が感じる本当の恐ろしさとは自分が未熟であるが故にもつ感情であると思います。自分を常に高めて相手を大事にしていれば、その「こわさ」は徐々になくなってゆくでしょう。無論「その筋の人」のような人に対する恐怖感とは別物です。そういった人たちに対応することは教員本来の仕事ではありません。然るべき職務の方々にお任せできるならばそうしましょう。それでも生徒であれば、外見がどうであれ、指導するのが仕事です。
また「叱る」というのもいろいろな局面で用いられる言葉ですね。教員を目指すならば、「怒る」のでは意味がないことはわかりますか?感情をありのままにぶつけるのでは、それは指導ではありません。指導するためのテクニックについては、前述の特別支援教育に携わる先生がとても明確かつわかりやすく示してくれているので参考にしてください。こんなことを現場で教えてくれる先輩教員が、最近はめっきり少なくなりました(愚痴です)。
指導するためには、自分の生き方に誇りと自信をもっていること。そうすれば正邪の判断ができます。学校としてそして教員として「やらなければならない指導」もありますが、同じ人間としての目線に立つことができれば、必ず指導は相手の心に届きます。
今は高校生ということで、自分を高める努力をされていることと拝察いたします。このような疑問をもたれるということは、とても素直で優しい素晴らしい心をお持ちなのでしょう。さまざまな価値観と出会い、人間としての厚みを増してゆかれることをお祈りします。よい教員になってください。

養護学校で教師をしている“いけちん”です。
私の勤務する養護学校は、小学部(小学校に相当)、中学部(中学校に相当)、高等部(高等学校に相当)があり、私は高等部所属なので、“一応”高校教師ということになります。
まりさんからの
「生徒がこわいことってありますか?。叱らなくてはいけないのに,嫌われたくないから……と思うことはありますか?。」
は、いろいろなタイプの先生がいますから、回答の種類もたくさんあると思います。
実際、先生より身体の大きな高校生がたくさんいますから、叱るといっても先生が生徒を見上げながら叱るという場合も多くあります。(女性教師と男子生徒の体格差が大きい場合が多いですね。)
加えて、生徒がナイフを持っていたり、派手な髪型、服装をしていると、教師でなくても怖いですよね。(私の勤務先には、そういうタイプはいません。念のため。)
以下は私の考えです。
やはり「叱られるようなことをしたら、叱る」が原則だと思います。
ただ、私が気をつけていることはいくつかあります。(時と場合により、例外もありますが……)
【叱る時】
・叱られるような行為に対して叱るのであって、その生徒の人間性はしからない。
・叱られるような行為のみを叱るのであって、「いつも~」などについては触れない。
・他の人が見ている前でしからない。
・理由を尋ねる。それなりに理解できる理由ならば、合法・適切なやり方を教える。
【日頃において】
・「いつも常におまえのことを気にかけているぞ……」というサインを送る。(これが生徒にとって“環視”と思われてはいけない。)
・わかりやすい授業になるよう心がけ、やんちゃしそうな生徒が興味を持ち、活躍でき、テストの点数が上がるようにする。
最近私が感じるのは、叱っても「何について叱れているのか、理解できていない」生徒が以前に比べて多くなっているように思います。
なおのこと、上に書いたようなことを、私は行う必要性を感じています。(実際、できてないかもしれませんが……。)